ちくま文庫
すべての季節のシェイクスピア
著:松岡和子
内容紹介
2021年、シェイクスピア全集、個人全訳を完結した著者は、翻訳を開始する直前、年間100本以上のシェイクスピア劇を観続けていた。代表的14作品を、演じられた舞台に即して「男と女の力学」「闇の中の輝き」「この世は仮装パーティ」等のテーマに分類し、掘り下げていく。シェイクスピア劇が10倍楽しくなるエッセイ。文庫化にあたり、全集最終巻「終わりよければすべてよし」についての書下ろしと全作品翻訳開始後のインタビューを加えた。
目次
プロローグ 私のシェイクスピア事始め/第一幕 男と女の力学/『ロミオとジュリエット』 別れがこんなに甘く切ないなら/『夏の夜の夢』 何もかもが二重に見える/ピーター・ブルックに訊く/芝居日記1/『オセロー』 殺すなら明日にして、今夜は生かして!/第二幕 闇こそ輝く/『リチャード三世』 歩きながら俺の影法師を眺めていられるよう/サム・メンデスに訊く/芝居日記2/『ヴェニスの商人』 ああ、俺のキリスト教徒の金/芝居日記3/『マクベス』 もう眠るな! マクベスは眠りを殺した/休憩 豊かな行間/第三幕 この世は仮装パーティ/『間違いの喜劇』 この世界にとって俺はひとしずくの水/『お気に召すまま』 ひと目惚れでなければ恋にあらず/『十二夜』 あとのことは時の手に委ねるわ/第四幕 時間がみた夢/『リア王』 忍耐だ。我々は泣きながらここへやってきた/芝居日記4/『冬物語』 並居る皆様を驚かせて差し上げて/芝居日記5/『テンペスト』 いまや私の魔法はことごとく破れ、残るは我が身の微々たる力ばかり/第五幕 視線の政治学/『ハムレット』 見られずに見て……/芝居日記6/『終わりよければすべてよし』 失ったものを褒め称えれば、思い出は貴重になる/エピローグI 「われらの同時代劇」シェイクスピア/エピローグII インタヴュー 現場での醍醐味──「シンベリン」を中心に/謝辞/文庫版あとがき
JP-eコード:480E0000000004033000
。出版社:筑摩書房
。コンテンツ公開日:2022年08月12日。