まえがき──お札になった酔いどれ殺人者/第一章 ルネサンスを支えた簿記の技術〈イタリア〉 ──神の支配から人間が主人公の時代へ/1 幸せと不幸、どちらの足音も東方からやってくる/東方にあこがれる西の人々/情報共有しないペッパーサックたち/東方からやってきた不幸の病/混乱から新旧交代へ/ローマ教会とメディチ家のスーパーコラボでルネサンスが生まれた/2 メディチ家が分散組織を管理した手法/中世のキャッシュレス取引だった為替手形/融資が禁じられたことで手数料商売が発展/すぐれた情報収集と分析を行っていたメディチ銀行/メディチ銀行の「分権経営」/簿記を用いて支店がワンチームに/3 ダ・ヴィンチが故郷にいられなくなった記録好き文化/記録好きのイタリアにて簿記が発展/レオナルド・ダ・ヴィンチの苦悩と挑戦/なぜイタリアの至宝『モナ・リザ』がフランスにあるのか?/神が主役の時代から人間が主役の時代へ/第二章 大航海時代に広げすぎた多角化経営〈スペイン〉 ──政治が中心から会計が中心の時代へ/1 大航海時代のスペインが新大陸を目指した理由/銀とトマトがやってきた/スペインがねらったキリスト教の布教/税金のはじまり/太陽の沈まない帝国の経営難/2 受け継がれる負の遺産/会計嫌いの親子/後輩を勇気づけたエル・グレコ/良い借金と悪い借金/最高の宇宙貯金/3 宗教改革は父への反抗!?/プロテスタントの台頭/父の故郷を弾圧、増税/残された教訓/トマトを食べる勇気/第三章 寛容の精神が生んだ株式会社と証券取引所〈オランダ〉 ──苦しみの労働から働く喜びへ/1 プロテスタントの国オランダ誕生/風車の似合うオランダのはじまり/ブリューゲル絵画に描かれた人々の嘆き/マーケティングが上手なプロテスタント指導者/オランダとベルギーはこうして分かれた/2 オランダ黄金時代に商売人が集合/商売人たちの宗教ノーサイド宣言/アムステルダムに大集合した商売人たちの盛り上がり/後発組として東インド航海へ進出/株式会社と証券取引所の誕生/3 短かったオランダ黄金時代の教訓/チューリップ・バブルの皮肉/金融商品は下がるときにはすべてが下がる/東インド会社、3つの失敗とその後の会計発展/「自分のため」から「他人のため」へ/第四章 決算書を情報公開した浪費国家の混乱〈フランス〉 ──プライベート所有からパブリック公開の時代へ/1 王侯貴族のムダ遣いと苦しむ市民たち/絵画と決算書は「つくる」前に「読む」こと/酔っても女性がきれいでいられるお酒/「働かないことが自慢」の王侯貴族/ノーモア・スペインの秘策/2 王様と財務の右腕のタッグは成功するか?/キッチリ男コルベールの徴税請負人制度/ほらふき男の起こしたフレンチ・バブル/国の決算書を公開したやりすぎ男/貧しさからジャガイモを食べはじめたフランス人/3 情報を公開して盛り上げる/フランスの師団が事業部制のルーツ/情報公開で盛り上げるフランスの文化/ブランドづくりが得意なフランス/フランスの残した数々の教訓/不幸のあとにはチャンスがある/第五章 線路と利益計算は続くよ、どこまでも〈イギリス〉 ──小規模生産から大規模工場へ