はじめに 伊藤邦武/第1章 啓蒙の光と影 伊藤邦武/1 はじめに/啓蒙とは/西洋近代の啓蒙主義/理性は人間の自然なのか/自然の光/2 啓蒙における理性と感情/イギリスとフランスの啓蒙主義/コンドルセ/ルソー/憐憫と良心/3 理性の闇/ルソーとヒューム/デカルトの懐疑/ヒュームの懐疑/4 人間感情論の射程/理性は情念の奴隷である/アメリカの人間感情論/東洋の人間感情論/第2章 道徳感情論 柘植尚則/1 道徳感情論の形成/感情主義/ハチスンの道徳感覚論/2 道徳感情論の展開──ヒューム/理性と情念/道徳的区別/共感/一般的観点/3 道徳感情論の完成──スミス/共感/公平な観察者/良心/道徳感情の腐敗/4 道徳感情論の可能性/道徳感情論に対する批判/道徳感情論の現代的意義/第3章 社会契約というロジック 西村正秀/1 一七~一八世紀のヨーロッパにおける社会契約論/主権国家の進展と社会契約論/社会契約論の基本構造と基本的道具立て/2 ホッブズとスピノザ/ホッブズの社会契約論/スピノザの社会契約論/3 ロックとルソー/ロックにおける自然状態/自然権と所有権/社会契約と主権者への制約/ルソーにおける自然状態/自由・社会契約・一般意志/キリスト教への態度と理性へのまなざし/第4章 啓蒙から革命へ 王寺賢太/1 はじめに──「世界哲学史」のなかの啓蒙と革命/「大西洋革命」か、「政治的自律」か/2 モンテスキューの専制批判/「法の精神」と「一般精神」の相関関係/3 新たな政治的正統性の模索/ルソー──「人民主権」という撞着語法/ケネー──「合法的専制」という逆説/ディドロ──「文明化」とその限界/4 革命と政治的自律の実現の困難/一八世紀末の政治的激動の渦中から/コンドルセ──「代表制民主政」と「人類の無限の完成可能性」/ロベスピエール──「恐怖政治」の論理と「最高存在の祭典」/5 おわりに/「政治的自律」──残された問い/第5章 啓蒙と宗教 山口雅広/1 ニュートンの自然神学/啓蒙思想とニュートンの自然哲学/ニュートンと自然神学/理神論との近さと遠さ/2 ニュートンとライプニッツ/自然神学と啓蒙思想/ニュートンの主意主義的神理解/ライプニッツの主知主義的神理解/3 ヒュームとカント/課題としての自然神学/ヒュームによる自然神学批判/カントによる自然神学批判/第6章 植民地独立思想 西川秀和/1 一八世紀アメリカにおける啓蒙主義の受容/先進的な独立宣言は後進地域で生まれた/アメリカの知識人たちとヨーロッパの啓蒙主義/2 フランクリンの実用主義/一三の徳目/社会改革/ヴォルテールとフランクリンの抱擁/3 ジェファーソンの自由主義/理性と信仰/道徳と心情/人民の啓蒙/4 植民地独立思想の遺産/フランス革命への継承/大西洋革命の危機/第7章 批判哲学の企て 長田蔵人
ほか