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「共立スマートセレクション」シリーズ 19

キノコとカビの生態学

著:深澤遊
著:大園享司

電子版

内容紹介

枯れ木の中では多種多様な菌類による「陣地領地獲得合戦」が繰り広げられています。その様子はさながら戦国時代のよう。武将として登場する菌類には、シイタケのような立派なキノコを作る種類だけでなく、顕微鏡を使わなければ見えないようなカビもたくさんいるのです。ただし、カビといっても侮るなかれ。決して雑兵ではありません。そもそも、キノコもカビも同じ菌類の違う姿にすぎないのです。
本書では枯れ木に生息する菌類をすべて「木材腐朽菌」と呼び、森の枯れ木の中で彼らがどのような暮らしをしているのか紹介します。最近の菌類生態学の大きな進歩の一つに、キノコではなくその本体である菌糸の野外でのふるまいに関する知識が急速に増えたことがあげられます。本書では、こういった最新の研究成果を盛り込んだ菌類生態学の解説を目指しました。

目次

第1章 木材腐朽菌と木材
 キノコとカビ
 木材腐朽菌の多様性
 木材の構造
第2章 木材腐朽菌による材分解の多様性
 白色腐朽
 褐色腐朽
 軟腐朽
 糖依存
第3章 枯れ木の中は戦国時代
 金太郎あめ
 木材腐朽菌たちの領地獲得競争
 菌種間競争の勝敗に影響する要因
 腹が減っては戦ができぬ
第4章 木材腐朽菌の生活史戦略
 攪乱依存種
 ストレス耐性種
 競争依存種
 菌類の資源競争モデル
第5章 ブナの原生林へ
 ツキヨタケの夜
 ブナの死亡判定人
 原生林を徘徊
 ブナの枯れ木のなかをのぞく
 シャーレのビルに埋もれて
第6章 シイタケのホダ木の中をのぞく
 シイタケ以外の住人たち
 ホダ木ウォーズ
 寄生者たちとの戦い
第7章 木材腐朽菌群集と分解機能
 種間相互作用と材分解
 種多様性と材分解
 他の生物と菌類の相互作用と材分解
 木材腐朽菌の広域分布と材分解
引用文献・参考文献
あとがき
枯れ木と菌類のエコロジーとコスモロジー(コーディネーター大園享司)
索引

JP-eコード:32000919JAAA19MBJE3X
出版社:共立出版
コンテンツ公開日:2019年04月16日
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