「共立スマートセレクション」シリーズ 14
まちぶせるクモ
著:中田兼介
著:辻和希
内容紹介
動物の中で,最も精密で複雑な建築物をつくるクモ。網と呼ばれるその建築物は,エサを獲るためのもので,クモが自ら紡ぐたんぱく質でできた糸を組み合わせてつくられている。
クモは1日のほとんどの時間を網の上でじっとエサを待って過ごす。しかし,一度エサがかかるとすばやく動き,これを捕まえようとする。その間およそ10秒。網は,クモとエサとの10秒間の攻防の舞台なのだ。
良い狩り場を選ぶ方法,エサをおびき寄せる仕組み,優れた糸の性能とそれを網に組み上げるやり方が相まって,クモと網が一体のシステムとなることにより,エサを捕らえることができる。
本書は丸々1冊を費やして,この10秒間を徹底的に解き明かしていく。
目次
はじめに-10秒間の攻防-
1 まちぶせと網
1.1 クモはどんな動物か
1.2 円網の張り方
1.3 いろいろな網
2 仕掛ける
2.1 網張り場所の選び方
2.2 考えるな,感じるんだ
2.3 まちぶせのコスト
2.4 クモのお引っ越し
2.5 ノイズのある世界で生きる
2.6 網を使った情報獲得戦術
3 誘いこむ
3.1 エサをだますテクニック
3.2 誘うために目立つ
3.3 例外のない規則はない
3.4 身を守るために目立つ
3.5 目立つ体で誘いこむ
4 止める
4.1 円網の2つの役割
4.2 動きを止める縦糸の特徴
4.3 エサを逃さない横糸
5 見つける
5.1 ホームセンターは宝の山
5.2 クモの機械感覚
5.3 円網は感覚拡張装置
5.4 クモの好き嫌いと円網
5.5 円網を引っ張るゴミグモ
6 襲いかかる
6.1 最後はスピード勝負
6.2 円網は上下でサイズが違う
6.3 頭の向きと網の形
6.4 襲撃時間の最小化仮説
6.5 下りはよいよい,上りはこわい
引用文献
おわりに
謝 辞
アマチュア研究家に薦めたいクモの行動生態学へのガイド(コーディネーター 辻 和希)
JP-eコード:32000914JAAA14MBJE3X
。出版社:共立出版
。コンテンツ公開日:2018年07月12日
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