江戸城御殿の構造と儀礼の研究
空間に示される権威と秩序
著:深井 雅海
紙版
内容紹介
将軍と家族が生活を営み、幕閣や諸役人が勤務する巨大な政庁・江戸城御殿。将軍宣下や年頭・月次の御礼など、数々の儀式はどの場所で、いかに行われたのか。絵図や日記などの記録を駆使し、本丸御殿の空間構造と機能を再現。将軍が発する言葉や謁見者との位置関係にも注目し、将軍を頂点に構成された大名・幕臣の序列から格式社会江戸を究明する。
目次
序論 問題の所在/本丸御殿の構造と機能(三代将軍家光期における「奥」と「中奥」―「奥御座之間」と「中奥黒書院」の機能を中心に/「表」の構造と機能/「奥」構造の変化と機能)/殿中儀礼の仕組みと格式(将軍宣下に見る公家・大名・寺社方の格式―六代家宣「将軍宣下記」に見える「目見え」と「振舞」についての分析/年頭御礼の仕組みと格式―延宝・元文・天保期の比較を通して/月次御礼の仕組みと格式)/日常的な政治運営と格式(「表」空間の政治運営に見る格式/「奥」空間「御座之間」に見る格式/将軍の言葉に見る格式―寛政四~七年「御意之振」の紹介・分析を中心に)/結論 本丸御殿における空間構造の意味