ガラスの魚
著:山下明生
絵:宇野亜喜良
紙版
内容紹介
戦後7〜8年、大人たちの生活にようやく余裕がでてきたころ。瀬戸内の島で新制中学に上がったアキラは散々な日々を過ごしていた。怪我が元で松葉杖の生活、学校の前で見つけた旅人のなぞの死体、アキラを目の敵にするクラスメイト、母に持ちかけられた再婚話、行方知れずだった実の父親との遭遇……島という空間に凝縮された人間模様のなか、それでもアキラは多くの人と心を通わせ、脱皮していく。島を舞台にした3部作構想の『海のコウモリ』『カモメの家』に続く最新作。
目次
1第一発見者/2納屋番の夜/3天敵チョーカイ/4事故か事件か/5ウナギ釣り/6大漁祝い/7バッター案山子/8一番風呂で/9街頭テレビ/10レンアイいろいろ/11秋祭りのあいつ/12お民ばあちゃんの推理/13おたずね者がふたり/14駆け落ちさわぎ/15おサルのかごや/16やくざのおごり/17お民ばあちゃん極楽へ/18全校駅伝大会/19八幡神社の決闘/20カレーのにおい/21プレゼント/22肝だめしレース/あとがき