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人間晩年図巻 2004—07年

著:関川 夏央

紙版

内容紹介

「二〇〇〇年代編」中巻にあたる本書には、吉村昭、杉浦日向子、フランソワーズ・サガン、仰木彬、岡田史子ら二十六人を収録。「いつが〝晩年″なのか本人にはわからない。死んだらわかる。それまでは他人の〝晩年″を読んで、たのしくお過ごしになられるのがよい」(著者より)。

目次

2004年に死んだ人々
 網野善彦(肺がん・76歳)………『舞踏会の手帖』古文書版
 ロナルド・レーガン(アルツハイマー、肺炎・93歳)………アメリカが懐かしむ時代
 マーロン・ブランド(呼吸不全・80歳)………「天才俳優」は際限なく太る
 フランソワーズ・サガン(心臓疾患・69歳)………早熟という「不運」
 本田靖春(多臓器不全・71歳)………輝ける「戦後」の記憶


2005年に死んだ人々
 星ルイス(肺がん・56歳)………「世の中に不足するもの、水とアブラとあんたの背丈」
 阪田寛夫(うつ病、肺炎・79歳)………「かわいいね」サッちゃん
 岡田史子(心不全(?)・55歳)………六〇年代的、あまりに六〇年代的
 ロック岩崎(墜落による心臓破裂・53歳)………天才戦闘機パイロットと花粉症
 貴ノ花(初代)(口腔底がん・55歳)………家族解散、家業消滅
 杉浦日向子(下咽頭がん・46歳)………「お江戸」の娘
 仰木 彬(肺がん・70歳)………「パ・リーグひと筋」パンチパーマ


2006年に死んだ人々
 茨木のり子(くも膜下出血・79歳)………「わたしが一番きれいだったとき」 ほんとうにきれいだった人
 宮川 泰(虚血性心不全・75歳)………「若いってすばらしい」
 今村昌平(肝臓がん・79歳)………映画監督の人生
 吉村 昭(舌がん、膵臓がんの末期治療中に自死・79歳)………「昭和」の子にして歴史小説の「化物」
 ジョセフ・オツオリ(交通事故・37歳)………ケニア人駅伝選手の草分け
 青島幸男(骨髄異形成症候群・74 歳)………明るいニヒリストのテレビ的人生


2007年に死んだ人々
 宮本邦彦(事故死(自殺しようとした人を助け電車にはねられ死亡)・53歳)………ある警察官の殉職
 石立鉄男(動脈瘤破裂・64歳)………多趣味貧乏
 向坂ゆき(老衰・102歳)………「大正」のお嬢さんの一世紀
 ミケランジェロ・アントニオーニ(94歳)/イングマール・ベルイマン(89歳)/小田実(75歳)………たまたま同日に亡くなった
 谷口千吉(誤嚥性肺炎・95歳)………八千草薫の夫
 真部一男(大腸がんの肝臓転移・55歳)………彼が指さなかった最後の一手

著者略歴

著:関川 夏央
関川夏央(せきかわ なつお)
作家。1949年、新潟県生まれ。上智大学外国語学部中退。『海峡を越えたホームラン』(双葉社、1984年)で第7回講談社ノンフィクション賞、『「坊っちゃん」の時代』(谷口ジローと共作、双葉社、1987─97年)で第2回手塚治虫文化賞、2001年には、その「人間と時代を捉えた幅広い創作活動」により第4回司馬遼太郎賞、『昭和が明るかった頃』(文藝春秋、2002年)で第19回講談社エッセイ賞を受賞。 近著に『子規、最後の八年』(講談社、2011年、講談社文庫、2015年)、『日本人は何を捨ててきたのか 思想家・鶴見俊輔の肉声』(鶴見俊輔との対談、筑摩書房、2011年、ちくま学芸文庫、2015年)、『文学は、たとえばこう読む──「解説」する文学Ⅱ』(岩波書店、2014年)、『人間晩年図巻 1990─94年』『人間晩年図巻 1995─99年』(いずれも岩波書店、2016年)、『人間晩年図巻 2000─03年』(岩波書店、2021年)など。

ISBN:9784000615068
出版社:岩波書店
判型:4-6
ページ数:264ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2021年11月
発売日:2021年11月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB