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日本像の起源 つくられる〈日本的なるもの〉

著:伊藤 聡

紙版

内容紹介

日本とは何か。日本の独自性とは何なのか──。
古代以来、日本人は〈日本文化論〉を繰り返してきた。

神国思想、中国へのアンビバレントな意識、遠きインドへの憧憬。
空想と現実、劣等感と優越感、自国肯定と排外意識のあいだで
〈日本的なるもの〉をめぐるイメージは揺れつづける。

吉備真備の入唐説話から、天竺を目指して死んだ高丘親王、
空海いろは歌作者説、やまとだましひと肉食忌避まで。

圧巻のスケールで描く「日本の自画像」千年史。

目次

序 論

第一章 自国意識の変遷

 一 三国世界観と粟散辺土観
 二 神国思想
 三 「大日本国」と第六天魔王
 四 神国思想と神功皇后説話の変容

第二章 中国へのまなざし

 一 「大国」中国と「小国」日本
 二 吉備真備入唐説話
 三 徐福伝説と楊貴妃渡来譚
 四 呉太伯説と対中意識の変貌
 五 琉球と日本

第三章 天竺憧憬

 一 渡天竺の夢
 二 天竺僧の来日
 三 三国伝来
 四 渡来する神と土地

第四章 文字なき国のジレンマ

 一 文字の渡来と固有文字の非在
 二 平仮名・いろは歌・片仮名
 三 神代文字の創造と展開
 四 梵字幻想

第五章 武の国「日本」の創造

 一 変容する「やまとだましひ」
 二 「武威」の国としての日本
 三 肉食と日本人

終 章

 参考文献
 あとがき
 引用図版出典一覧
 人名索引

著者略歴

著:伊藤 聡
1961年、岐阜県生まれ。茨城大学人文社会科学部教授。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学(東洋哲学)。博士(文学)。日本思想史、神道論を専門とし、共著に『日本史小百科 神道』(東京堂出版)、『日本思想史講座2 中世』(ペリカン社)など、単著に『中世天照大神信仰の研究』(法蔵館)、『神道とは何か』(中公新書)がある。

ISBN:9784047036055
出版社:KADOKAWA
判型:4-6変
ページ数:504ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2021年11月
発売日:2021年11月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ