出版社を探す

岩波ジュニア新書 941

AIの時代を生きる

未来をデザインする創造力と共感力

著:美馬 のゆり

紙版

内容紹介

AIの存在感が増し,便利な暮らしへの期待や憧れが高まる一方で,仕事を奪われる不安に揺れる現代人.人とAIの未来はどうあるべきなのか.多様な学術的背景をもつ著者が,AIの歴史,その仕組みを解説しつつ,両者にとってよりよい社会のつくり方,さらには一人一人ができることを,「創造力と共感力」をキーワードに語ります.

目次

はじめに

1章 AIの時代がやってきた  ここまで来ている「未来」/まだまだこれからどんどん/チェスの世界チャンピオンに勝つ/AIが料理に挑戦/社会課題の解決のための技術/二〇年後の家を想像する/スマートホーム実現のための技術/スマートホーム実現に向けた三つの技術/未来の都市? 理想の都市? スマートシティ/まちづくりの新しい視点

2章 AIってなに?
 コンピュータってなに?/記号を扱うコンピュータ/AIの歴史を概観する/生物の神経回路網をまねる/身近になりつつある深層学習/機械をかしこくする仕組み/学び方に問題はあるか/人間のようにふるまうAI/東ロボくんの挑戦から/特選「25のデジタル技術」

3章 人間とAI
 変化する日本、変化する社会/AIで変わる私たちの仕事/AIで変わる私たちの生活/人間にしかできないこと/異なる世界を知ることからはじめよう/コロナ禍で見えてきた技術と人間の新たな関係/病気になって見えること/AIの仕組みを理解し、活用するために/AIの過去、現在、未来を学ぶ/未来を考える手がかり、共感を意識する手法

4章 「共感」とAI
 共感を求められる仕事とAI/デジタル技術で共感をつなぐ/共感の生まれるところに発見がある/ケアを共にする社会のAIへ/ケアの倫理という視点/AIにケアの倫理を取り入れる/変わるAIエンジニアの役割/創造的共感知性と集団的知性

5章 何を学ぶか、どうやって学ぶか
 望ましい未来とは/みんなが幸せと感じるには/サンフランシスコの学校で/OECDのキーコンピテンシー/読む、見る、聞くことから学ぶ/コンピテンシーに関する誤解/何を学ぶか、学ぶべきか/モノづくりを通した学習とPBL/アトリエ的学習環境とオンライン/「共感性」に着目した新たな知性の側面/新たなデザインプロセス「共感デザイン」

6章 よりよい未来をデザインするために
  バックキャスティングとフォアキャスティング/スマート○○/すべては関わり合っている/生物多様性と食料生産の両立/便利な社会と不便益/本質とデジタル/教科「家庭科」の可能性/未来を考える二〇の問い

おわりに

著者略歴

著:美馬 のゆり
美馬のゆり(みま のゆり)
公立はこだて未来大学教授。東京都生まれ。ハーバード大学大学院、東京大学大学院、電気通信大学大学院修了。博士(学術)。専門は教育工学、学習科学、学習環境デザイン。公立はこだて未来大学の設立計画策定に携わり、開学時に函館に移住。MITメディアラボ客員研究員、日本科学未来館副館長、NHK経営委員を経て2021年9月よりカリフォルニア大学バークレー校AIラボ客員研究員。著作に『理系女子的生き方のススメ』(岩波ジュニア新書)、『学習設計マニュアル』(共著、北大路書房)など。

ISBN:9784005009411
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:216ページ
定価:860円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UD