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岩波新書 新赤版 1899

最澄と徳一 仏教史上最大の対決

著:師 茂樹

紙版

内容紹介

これは問答か、謗法(ほうぼう)か。平安時代初期、天台宗の最澄と法相宗の徳一が交わした批判の応酬は、仏教史上まれにみる規模におよぶ。相容れない立場の二人が、五年間にわたる濃密な対話を続けたのはなぜだったのか。彼らは何をどのように語り合ったのか。「真理」を求める論争を解きほぐして描く、仏教史の新たな見取り図。

目次

はじめに

第一章 奈良仏教界の個性——徳一と最澄
 1 徳一とは誰か——薄明のなかの相貌
 2 東アジアのなかの最澄

第二章 論争の起源と結末——二人はどう出会ったか
 1 対立に巻き込まれる最澄
 2 対立解決に向けた動き
 3 徳一との接近遭遇

第三章 釈迦の不在をいかに克服するか——教相判釈という哲学
 1 『守護国界章』の論争を読む
 2 教相判釈という思考方法
 3 どのように批判したのか——最澄による三時教判批判

第四章 真理の在り処をめぐる角逐
 1 問答という伝統
 2 異なる思想どうしの対論
 3 「ブッダになれない衆生」の存在証明
 4 言葉の力

第五章 歴史を書くということ
 1 創られる思想史
 2 偶然から必然へ
 3 歴史叙述という実践

終章 論争の光芒——仏教にとって論争とは

参考文献一覧
あとがき

著者略歴

著:師 茂樹
師 茂樹(もろ しげき)
1972年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、東洋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文化交渉学、関西大学)
現在―花園大学文学部教授
著書―『論理と歴史――東アジア仏教論理学の形成と展開』(ナカニシヤ出版)、『『大乗五蘊論』を読む』(春秋社)ほか

ISBN:9784004318996
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:248ページ
定価:880円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDT