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講談社現代新書

遊廓と日本人

著:田中 優子

紙版

内容紹介

人権無視の悲哀の場か、日本文化の聖域か。
「日本史の陰影(タブー)」を再考する。

江戸学の第一人者による「遊廓入門」の決定版!

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遊廓は二度とこの世に出現すべきではなく、
造ることができない場所であり制度です。

一方で遊女が、高い教養を持ち、輸入香木を焚きしめ、とても良い香りを放ち、和歌を作り、三味線を弾き、生け花や抹茶の作法を知っており、一般社会よりもはるかに年中行事をしっかりおこない、日本文化を守り継承してきた存在でもあったことを忘れてはなりません。

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【本書の目次】

はじめに
第一章 吉原遊廓の誕生
第二章 遊廓とはどういう場所か?
第三章 遊女とはどんな人たちか?
第四章 男女の「色道」と吉原文化
第五章 吉原遊廓の三六五日
第六章 近代以降の吉原遊廓
終章  遊廓をどう語り継ぐべきか


【本書の内容】

・遊郭は「辺境の別世」「身分のない世界」
・「不夜城」と呼ばれた吉原遊廓
・「色好み」という日本文化の伝統
・井原西鶴が描いた「床上手」な遊女たち
・恋を創るために読まれた「色道」
・江戸の「いい男」「いい女」の条件とは
・遊女を世に知らしめた「洒落本」と「浮世絵」
・遊女の人権が問われた「マリア・ルス号事件」
・吉原遊廓の凋落と消えゆく江戸文化  ……ほか

著者略歴

著:田中 優子
1952年神奈川県横浜市生まれ。法政大学社会学部教授、社会学部長等を経て法政大学総長(2021年に退任)。専門は日本近世文学、江戸文化、アジア比較文化。2005年紫綬褒章受章。著書に『江戸の想像力』(ちくま学芸文庫/芸術選奨文部大臣新人賞受賞)、『江戸百夢 近世図像学の楽しみ』(ちくま文庫/芸術選奨文部科学大臣賞、サントリー学芸賞受賞)など多数。近著に『日本問答』『江戸問答』(岩波新書/松岡正剛との対談)など。

ISBN:9784065260951
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:176ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC