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講談社現代新書

空気を読む人 読まない人 人格系と発達系のはなし

著:老松 克博

紙版

内容紹介

■すべての人はどちらかに分けられる!
空気を読みすぎる【人格系】。
空気は読まない【発達系】。
あなたは、どちらのタイプですか?

人間関係が悪化するのも、心のなかがつらいのも、
【人格系】×【発達系】の二つの傾向が激突することから始まっています。
この心のしくみを知ることが、
生きづらさから解放される一番の近道です。

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【人格系】とは?
空気を読みすぎるタイプ。周囲が気になり同調圧力に苦しみ、いつも軽微な神経症的な状態でいる。
その傾向がよほど極端だと、人格障害(パーソナリティ障害)と呼ばれるかもしれない。
そういう傾向が「人格系」です。

【発達系】とは?
空気を読まないタイプ。自由で正直で天真爛漫、後先を気にせず、いつも目の前のことに没頭しているユニークな人。
その傾向がよほど極端だと、発達障害と呼ばれるかもしれない。
そういう傾向が「発達系」です。

空気を読むタイプは、空気を読みすぎて苦しみます。
空気を読まないタイプは、周囲と衝突して苦しみます。
どちらのタイプも結局は自分を押し殺して生きづらさを強くします。

そのうえ、どちらのタイプも、おたがいが嫌いになります。
人間どうしの不仲、争い、憎み合いは、たいてい二つのタイプの激突から発生しています。

なぜ、二つのタイプは、わざわざ相手を嫌うのか?
なぜ、人は必要以上に怒ったり、意味もわからないまま嫌われたり、必要以上に自分自身を苦しめたりしてしまうのか?
その謎を解き明かし、人間関係と心のつらさを同時に改善する一冊です。
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■本書の内容■
第1部 心と性格のしくみ
【第1章】 すべての人は人格系と発達系に分けられる
【第2章】 天真爛漫な発達系
【第3章】 周囲が気になる人格系
第2部 生きづらさから解放される
【第4章】 私のなかの「もうひとりの私」
【第5章】 自分と仲直りする方法

目次

第1部 心と性格のしくみ

【第1章】すべての人は人格系と発達系に分けられる
   人の性格は二つの傾向に分けられる
   空気は読まない発達系
   あなたの周りにも発達系は普通にいる
   空気ばかり読む人格系
   世間にあふれる人格系
   必ずぶつかる人格系と発達系
   みんな人格系と発達系のブレンドでできている
   相手次第で人格系と発達系が入れ替わる
   なぜ二つの傾向に分けられると考えたのか
   生きづらさの正体に迫るために

【第2章】天真爛漫な発達系
   自由で正直、世界の中心で今を生きる
   空気が読めず誤解され怒らせる
   発達障害のスペクトラム
   非定型発達という考え方
   大人になって発見される発達障害
   発達系は独特のアンテナで外部と交感する
   非定型発達者の生きづらさ

【第3章】周囲が気になる人格系
   ルールと気配りの人格系
   常識と人の評価に縛られる
   「神経症(ノイローゼ)」という言葉の曖昧さ
   人格系と自己愛性人格障害の近さ
   自己愛性人格障害とは何か
   人格系の「もうひとつ」の顔
   生きづらくても普通ならマシ
   人格系は自由から逃走したい

第2部 生きづらさから解放される

【第4章】私のなかの「もうひとりの私」
   あなたは人格系?それとも発達系?
   心は混成物である
   相手によって性格は変わる
   自分を知るための深層心理学
   心には「無意識」の世界がある
   私のなかの「もうひとりの私」
   「投影」という心のメカニズム
   「もうひとりの私」は反対のタイプ
   「もうひとりの私」にだまされないために
   見破られるだけで「投影」は消えてなくなる
   人格系と発達系がぶつかりあう本当の理由
   人は心の内でも外でも「もうひとりの私」と対峙している
   なぜ人を憎むのか、なぜ生きづらくなるのか
   
【第5章】自分と仲直りする方法
   人間関係を改善するために
   人間関係がおのずと改善するプロセス
   ひとりでできる「もうひとりの私」との対話
   他人との関係は自分のなかでの仲直りと連動している
   真っ先に仲直りしなければならないのは自分自身
   「もうひとりの私」と仲直りする
   心の葛藤がおのずと解消するプロセス
   「もうひとりの私」との対話がはじまる
   「人格系―発達系」分類の使い道
   無意識と対話する深層心理学の技法
   無意識の影響がわかる言語連想テスト
   アクティヴ・イマジネーションの手順
   敬意を払うとはどういうことか
   責任を持つとはどういうことか
   「もうひとりの私」のメッセージを読み解く
   苦悩は悪いものではない

おわりに

著者略歴

著:老松 克博
1959年、鳥取県生まれ。1984年、鳥取大学医学部卒業。1992~95年、チューリッヒ・C・G・ユング研究所留学。大阪大学大学院人間科学研究科教授。臨床心理士。ユング派精神分析家。博士(医学)。専門は、臨床心理学・精神医学。
■著書:
『漂泊する自我』(新曜社)。
『スサノオ神話でよむ日本人』(講談社)。
『アクティヴ・イマジネーション』(誠信書房)。
『無意識と出会う』『成長する心』『元型的イメージとの対話』(トランスビュー)。
『ユング的悩み解消術』(平凡社)。
『身体系個性化の深層心理学』(遠見書房)。
『共時性の深層』(コスモスライブラリー)。
『心と身体のあいだ』(大阪大学出版会)
『夢の臨床的ポテンシャル』(誠信書房)。
■訳書:
バッハ『生命はその生涯を描く 重病の子どもが描く自由画の意味』。
ハナー『アクティヴ・イマジネーションの世界』。
アスパー『自己愛障害の臨床』(創元社)。
ファース『絵が語る秘密』(日本評論社)。
ユング『クンダリニー・ヨーガの心理学』(創元社)。

ISBN:9784065259030
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP