ワークライフ・インテグレーション
未来を拓く働き方
編:平澤 克彦
編:中村 艶子
内容紹介
ワーク・ライフ・バランスの必要性が叫ばれて久しいが、働き方が変わりつつあるなか、その限界もまた明らかになってきている。仕事と生活を対立的にとらえるのではなく、統合させる視点こそが求められているのである。本書は国内外の政策動向や日本企業の先進的な実践例を踏まえ、仕事と生活の二項対立を越えるワークライフ・インテグレーションという新たな働き方を展望する。
目次
はしがき
序 章 ワークライフ・インテグレーションの分析視角(平澤克彦)
1 ワークライフ・インテグレーションの研究対象
2 労働と生活
3 資本関係の生成と家事労働
4 企業経営の展開と女性労働
5 人的資源管理の展開とワークライフ・インテグレーション
第Ⅰ部 ワークライフ・インテグレーションの生成と展開
第1章 ワークライフ・インテグレーションの概念と展開(中村艶子)
1 ワークライフ・インテグレーション概念の生成
2 第一ステージ:日本におけるワーク・ライフ・バランス
3 第二ステージ:子育て元年を契機に
4 第三ステージ:未来経営的ワーク・ライフ・バランス
5 第四ステージ:新ワークライフ・インテグレーション
第2章 ドイツにおけるワーク・ライフ・バランス問題(平澤克彦)
1 なぜ「労働と家族」が問題となるのか
2 ドイツにおける家族の現状
3 ワーク・ライフ・バランス問題と労働時間
4 家族に配慮した人事政策
第3章 アメリカの子育て支援とワークライフ・インテグレーション(中村艶子)
1 ワーク・ライフ・バランスの限界と「子育て危機」
2 保育支援をめぐるアメリカの経験
3 連邦政府はワークライフ・インテグレーションを後押ししているか
4 パンデミックで変わるワークライフ・インテグレーション
第4章 労働時間と生活時間の調和を目指して(山本大造)
1 ワーク・ライフ・バランスと労働時間
2 ワーク・ライフ・バランスと「働き方改革」
3 家事・育児負担とワーク・ライフ・バランス
4 ワーク・ライフ・バランスと公平性
第Ⅱ部 日本企業とワークライフ・インテグレーション
第5章 財界のワークライフ・インテグレーション戦略(奥寺 葵)
1 ワークライフ・インテグレーションのとらえ方
2 政府によるワーク・ライフ・バランス施策の展開
3 日本経団連とワークライフ・インテグレーション
4 経済同友会とワークライフ・インテグレーション
5 ワーク・ライフ・バランスの受容状況
6 政財界のワークライフ・インテグレーション観と今後の展望
第6章 人的資源管理とワークライフ・インテグレーション(木村三千世)
1 人的資源管理とは
2 ライフキャリアとライフステージにおける課題
3 求められる人的資源管理施策
4 現在の人的資源管理の施策
5 ワーク・ライフ・バランスに配慮した福利厚生
6 健康を保障する施策
7 資生堂の柔軟な働き方
8 コロナ禍で変化した働き方
9 ワークライフ・インテグレーション実現のための課題
第7章 非正規労働とワークライフ・インテグレーション(石井まこと)
1 非正規労働の何が問題か
2 無償労働の有償化と有償労働の不払い化のはざま
3 雇用社会のなかのワークライフ・インテグレーション
4 非正規労働のワークライフ・インテグレーションを支える制度
5 多様に働ける社会へ
第8章 ワークライフ・インテグレーションの現実(小暮憲吾)
1 ワーク・ライフ・バランスの実態とワークライフ・インテグレーション
2 技術進歩(AI化)と社会の変容
3 新型コロナウイルス(COVID-19)と個人の生活
終 章 ワークライフ・インテグレーションとニュー・ノーマル(平澤克彦・中村艶子)
1 ワークライフ・インテグレーションをどうとらえるか
2 コロナ禍で変わるワークライフ・インテグレーション
3 テレワークとワークライフ・インテグレーション
あとがき
索 引