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ちくま学芸文庫 サ-49-1

〈日本美術〉誕生

近代日本の「ことば」と戦略

著:佐藤 道信

紙版

内容紹介

「日本美術」は明治期、「絵画」他多くの用語とともに産みだされた概念だ。近代国家として出発した時代の思想と機構に切込む先鋭的書。解説 北澤憲昭===作品じたいは古くからあった。しかし、「日本美術史」という歴史体系は、「ことば」によって近代日本につくられたのである――。本書はまず、明治期に「絵画」などの美術用語が作られていく過程、また「日本画」「西洋画」「歴史画」「裸体画」「風景画」といったジャンルが規定されていく過程を綿密に追う。その背後にあるのは、近代日本で芽生えた国家思想、つまりナショナリスティックな「日本」意識と、欧化・国際化との相克だ。作品・作家を生み出し支えた政治的・社会的機構をとおして、新たに近代美術の深部を抉りだす。 解説 北澤憲昭===美術を動かす国家意識と制度――「ことば」が美術史を規定した===【目次】序章 美術の言語と言説第一章 「近代日本美術」とはなにか――時間と地理の枠組1「日本」を考える2「美術」「日本美術」「日本美術史」3「近代」の範囲と意味第二章 美術の文法1造語の方法論2「美術」はどう造語されたか3「絵画」の成立4「彫刻」か「彫塑」か5「工芸」という包括第三章 ジャンルの形成――「日本」をめぐる論争1森鷗外反駁2対概念としての「日本画」「西洋画」3「歴史画」4人間と自然 5「近代美術」と「現代美術」第四章 美術の環境――階層・行政・団体・コレクション1美術と階層2美術行政3 美術団体の誕生4 コレクションの社会学終章 「日本美術史」の創出註参考文献あとがき文庫版著者あとがき文庫版解説「ことば」と「機構」――自己探求としての日本近代美術史論 北澤憲昭

目次

序章 美術の言語と言説第一章 「近代日本美術」とはなにか――時間と地理の枠組1「日本」を考える2「美術」「日本美術」「日本美術史」3「近代」の範囲と意味第二章 美術の文法1造語の方法論2「美術」はどう造語されたか3「絵画」の成立4「彫刻」か「彫塑」か5「工芸」という包括第三章 ジャンルの形成――「日本」をめぐる論争1森鷗外反駁2対概念としての「日本画」「西洋画」3「歴史画」4人間と自然 5「近代美術」と「現代美術」第四章 美術の環境――階層・行政・団体・コレクション1美術と階層2美術行政3 美術団体の誕生4 コレクションの社会学終章 「日本美術史」の創出註参考文献あとがき文庫版著者あとがき文庫版解説「ことば」と「機構」――自己探求としての日本近代美術史論 北澤憲昭

著者略歴

著:佐藤 道信
佐藤 道信(さとう・どうしん):1956年秋田県生まれ。東北大学文学部大学院修士課程修了。専攻、日本美術史。板橋区立美術館、東京国立文化財研究所を経て、現在、東京芸術大学美術学部教授。著書に『河鍋暁斎と菊池容斎』(編著、至文堂)『明治国家と近代美術』(吉川弘文館、サントリー学芸賞受賞)などがある。

ISBN:9784480510778
出版社:筑摩書房
判型:文庫
ページ数:304ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA