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日本精神神経学会認知症診療医テキスト2

症例とQ&Aに学ぶ

編:日本精神神経学会認知症委員会

紙版

内容紹介

精神科医だからこそ、得意な認知症診療がある。
妄想、うつ、多職種連携。
診断で難しい、治療で難しい、その後の支援で難しい。
実際のケースでポイントを効率的に学びリアルに役立つ1冊。

目次

第1章 手順を踏んで認知症を診断・理解する
CASE 1 在宅介護を支えることができた若年性アルツハイマー病の症例森村安史 20
 症例提示:60歳代後半,女性 20
 臨床のキーポイント 21
1 左右差の強い脳萎縮を示すアルツハイマー病
2 ADAS–JCog
3 CDR
4 ADの深部白質の虚血性変化の意義と評価
5 介護保険の要支援・要介護
6 FAST
7 短期入所
8 認知症の身体合併症
9 ミオクローヌス

CASE 2 パーキンソン症状が前景となったレビー小体型認知症森村安史 26
 症例提示:80歳代後半,男性 26
 臨床のキーポイント 27
1 レビー小体型認知症の診断基準
2 DLBの薬物療法
3 時計描画テスト,錯綜図テスト
4 DLBのパーキンソン症状
5 DLBの睡眠障害
6 DLBに対する抗パーキンソン病薬

CASE 3 アルツハイマー型認知症と診断されていた前頭側頭型認知症内海久美子 31
 症例提示:50歳代半ば,男性,左利き 31
 臨床のキーポイント 34
1 脳脊髄液のタウ蛋白の上昇
2 時刻表的行動
3 若年性認知症の本人と家族の会
4 相貌失認
5 指定難病

CASE 4 認知障害と歩行障害が軽微であったため診断に難渋した特発性正常圧水頭症例數井裕光 37
 症例提示:70歳代,男性 37
 臨床のキーポイント 41
1 特発性正常圧水頭症について
2 iNPHの3徴の特徴
3 iNPHの形態画像所見
4 タップテスト
5 脳神経外科での入院治療
6 術後の経過観察
7 精神科で遭遇しやすいiNPH例の特徴
8 脳神経外科医との円滑な連携のコツ

CASE 5 老年期に幻覚,妄想症状で発症し,その後認知症が出現した症例水上勝義 47
 症例提示:80歳代,女性 47
 臨床のキーポイント 49
1 老年期に発症した幻覚,妄想状態
2 記憶障害の特徴
3 支持的・受容的な対応
4 抗精神病薬の使用
5 通所サービス,ショートステイ


第2章 認知症以外の疾患から鑑別する
CASE 6 精神病症状を伴ったうつ病性仮性認知症の1例布村明彦 54
 症例提示:70歳代,女性 54
 臨床のキーポイント 56
1 自身の機能低下に対する態度と発症の様式
2 遅延再生と再認
3 うつ病とレビ-小体型認知症との鑑別
4 うつ病性仮性認知症
5 抗うつ薬の選択と投与量・投与期間
6 うつ病寛解後の認知機能

CASE 7 嫉妬妄想を呈した妄想性障害の1例三村 悠,三村 將 61
 症例提示:70歳代,女性 61
 臨床のキーポイント 64
1 事実か妄想かを確認
2 他の精神疾患との鑑別
3 個人史のなかにヒントをみつける
4 認知症に伴う妄想の特徴
5 神経心理学的検査で得られるもの
6 アミロイドPET,タウPET

CASE 8 健忘型MCIと診断された1例水上勝義 68
 症例提示:70歳代,女性 68
 臨床のキーポイント 70
1 軽度認知障害とは
2 MCIの診断
3 MCIの原因
4 MCIの対応


第3章 工夫が必要となる認知症の診療場面
CASE 9 抑うつで発症したレビー小体型認知症の症例山城佐知,相澤明憲 76
 症例提示:60歳代,男性 76
 臨床のキーポイント 79
1 認知症を伴うパーキンソン病とレビー小体型認知症
2 精神科と神経内科の役割分担
3 生活行動の自立に影響する認知機能低下とパーキンソン症状
4 パーキンソン病の症状
5 PDD患者の入院形態
6 抗パーキンソン病治療薬による妄想とせん妄
7 せん妄への薬物療法
8 MIBG心筋シンチグラフィ
9 DLBの薬物療法
10 DLBに対する支援

CASE 10 うつ病と診断され当院に紹介された後,レビー小体型認知症と診断したが家族が診断に疑問を抱き苦慮した1例松本均彦,長尾喜一郎 84
 症例提示:70歳代,女性 84
 臨床のキーポイント 86
1 抗うつ薬の副作用
2 うつ病患者の自殺企図・自殺未遂
3 うつ病の妄想とレビー小体型認知症の幻覚・妄想
4 抗精神病薬の副作用
5 病前認知機能と認知症の診断
6 軽度認知機能障害へのアセチルコリンエステラーゼ阻害薬の投与
7 DLBの薬物療法
8 DLBの認知機能低下の経過

CASE 11 介護サービス導入に抵抗したアルツハイマー型認知症の1例:介護家族のエンパワメントの過程布村明彦 90
 症例提示:80歳代,女性 90
 臨床のキーポイント 93
1 主訴は本人と家族に分けて記述しておく
2 日常生活活動(ADL)障害を見極める
3 初診面接では患者の「昔取った杵柄」に触れる
4 介護サービス利用のタイミングを遅らせない
5 介護保険主治医意見書作成のコツ
6 介護家族のエンパワメント(自己効力感)

CASE 12 癌が疑われ検査も治療も拒否したアルツハイマー型認知症内海久美子 98
 症例提示:80歳代,女性 98
 臨床のキーポイント 101
1 考察ポイント1
2 考察ポイント2
3 高齢者の居住場所をどのように選択するか
4 うつ病と軽度認知障害の鑑別
5 睡眠導入剤と認知機能
6 認知症患者における居住場所の変化とデイサービスの機能と役割
7 Best Supportive Care(BSC)
8 認知症グループホームの活用と自己達成感


第4章 若年発症認知症の患者と家族を支える
CASE 13 急速に進行する若年性アルツハイマー病患者をうつ病の夫が介護していたケース三村 將 106
 症例提示:50歳代後半,女性 106
 臨床のキーポイント 109
1 家族に内緒で受診
2 仕事が楽しくなくなって退職
3 交通機関の利用も可能
4 セカンドオピニオンと継続通院
5 アルツハイマー病とレビー小体型認知症
6 夫がうとうとしている間に自宅を抜け出した
7 夫のうつ病が増悪
8 急速な進行

CASE 14 解雇されたことを理解できず出勤しようとする若年性アルツハイマー型認知症:多職種で支え在宅介護を可能にした症例内海久美子 116
 症例提示:50歳代,男性 116
 臨床のキーポイント 121
1 自立支援医療費制度
2 認知症行動障害尺度(DBD13)
3 障害者就労継続支援B型施設
4 若年性認知症支援コーディネーター

CASE 15 家族教育と重度認知症患者デイケアにより,在宅生活を続けた若年性アルツハイマー病の症例渕野勝弘 123
 症例提示:60歳代,女性 123
 臨床のキーポイント 124
1 若年性アルツハイマー病と遺伝
2 頭部CT像の診断
3 アセチルコリンエステラーゼ阻害薬とNMDA受容体拮抗薬の副作用
4 HDS–R,MMSE
5 重度認知症患者デイケア(医療保険)
6 地域連携パスの活用
7 家族対応

CASE 16 3種類の脳機能画像検査が診断に有用であった若年性アルツハイマー病例數井裕光 130
 症例提示:50歳代,女性 130
 臨床のキーポイント 136
1 認知症診療でよく実施される脳機能画像検査
2 脳血流SPECT検査が有用な症例
3 ドパミントランスポーター画像検査,MIBG心筋シンチグラフィ検査が有用な症例
4 脳機能画像データ解析における重要な進歩
5 脳機能画像検査の依頼書の記載のコツ
 

Q&A 139

略語一覧 17

INDEX 185

ISBN:9784880021171
出版社:新興医学出版社
判型:B5
ページ数:192ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ