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あまりに人間的なウイルス

COVID-19の哲学

著:ジャン=リュック・ナンシー
訳:伊藤 潤一郎

紙版

内容紹介

私たちを混乱に陥れているコロナパンデミックを生み出したのは私たち自身の活動だ。このあまりに人間的なウイルスについて問う。

グローバル化の産物であるコロナウイルスは、過剰なまでに相互接続された現在の技術・経済構造の脆さを明らかにし、私たちの生を土台のない状態へとひとしく直面させている。私たちは生の土台のなさをもとに、不確実性を分かち合う民主主義を思考し、私たちの人間性、権利、自由の意味を新たに発明していかなければならない。

目次

まえがき

Ⅰ あまりに人間的なウイルス
Ⅱ 「コミュノウイルス」
Ⅲ 子どもでいよう
Ⅳ 悪と力
Ⅴ 自由
Ⅵ 新ウイルス主義
Ⅶ 自由を解放するために
Ⅷ 有用性と非有用性
Ⅸ あいかわらずあまりに人間的な

付録1 ニコラ・デュタンとの対話
付録2 未来から来るべきものへ─ウイルスの革命
(ジャン=リュック・ナンシー/ジャン=フランソワ・ブトール)

訳者あとがき

著者略歴

著:ジャン=リュック・ナンシー
ジャン=リュック・ナンシー(Jean-Luc Nancy) 1940年、フランス・ボルドー生まれ。哲学者。ストラスブール・マルク・ブロック大学名誉教授。著書に、『無為の共同体─哲学を問い直す分有の思考』(1986年/邦訳、以文社、2001年)、『自由の経験』(1988年/未來社、2000年)、『限りある思考』(1990年/法政大学出版局、2011年)、『世界の創造あるいは世界化』(2002年/現代企画室、2003年)、『イメージの奥底で』(2003年/以文社、2006年)、『モーリス・ブランショ 政治的パッション』(2011年/水声社、2020年)など多数。
訳:伊藤 潤一郎
伊藤 潤一郎(いとう じゅんいちろう)1989年、千葉県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD。専攻は、フランス哲学、キリスト教思想。おもな論文に、「ジャン=リュック・ナンシーと人格主義」(『フランス哲学・思想研究』第22号)、翻訳に、ミカエル・フッセル『世界の終わりの後で─黙示録的理性批判』(共訳、法政大学出版局、2020年)、ジャン=リュック・ナンシー『アイデンティティ─断片、率直さ』(水声社、2021年)など。

ISBN:9784326154784
出版社:勁草書房
判型:4-6
ページ数:144ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2021年08月
発売日:2021年08月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JHB