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苦海の美学

夭折の画家・須藤康花の世界を読み解く

著:須藤 岳陽

紙版

内容紹介

夭折の美術作家・須藤康花の作品のうち、晩年に制作された難解な銅版画に焦点をあて、その作品世界を読み解く。モチーフとなった内外の文学作品、美術作品をたどり、生死の際の美学をつきつめる。カラー図版多数収録。

須藤康花・略年譜
1978年 福島県で生まれる
1980年 ネフローゼ症候群発症
2001年 多摩美術大学入学
2002年 東京国際ミニプリント・トリエンナーレ2002入選
2003年 第13回ARTBOX大賞展入選
2004年 東京国際ミニプリントトリエンナーレ2005入選。第7回欧美国際公募・ドローイング・版画・デッサンコンクール優秀賞。国際プリントビエンナーレ”IOSIF ISER"2005入選
2006年 国際ビエンナーレ"graveur de lunes"入選
2007年 3月、癌発症
2008年 第9回日本・フランス現代美術世界展入選
2009年 5月10日 A.ワイエスのカタログを枕元に、自宅にて死去、享年30歳8ヶ月
2010年 7月 フランスのGravicel及びL'inventaireよりコレクションの依頼
2012年 長野県松本市に『康花美術館』開館。『美しい人』(晶文社)刊行
2016年 松本井上百貨店にて「須藤康花展」開催

目次

〈カラー図版〉須藤康花 銅版画作品・選
はじめに
第一章  「嘔吐」 自己否定を超えるために
第二章  「変身」 愚かさは生一本で正直者だ
第三章  「悪夢」 夢の持つ芳香性に誘われて
第四章  「昇華」 理屈より衝動こそ大きな原動力
第五章  「白夜」「流転」 郷愁を語り描くのは「論理より愛」
第六章  「輪廻」 生と死を生きる
第七章  「闇歌」 ピアフと詩「鎮魂歌」とバッハ・チェロ組曲
第八章  「光の記憶」 失われた時を求めて
第九章  「静火」「響」「夜行」 カラマーゾフの兄弟たち
第十章  「崩壊前夜」 生と死の衝動が衝突する中で
第十一章 「彼方」「悠遠」「月光」 空想の帝国はこの世に存在する唯一の彼岸の世界
第十二章 「夜」「幻葬」 生しか描けぬことに疑問を抱いて
第十三章 「甦生」「抱懐」 死してなお生きる
終章   観念を描く人が芸術家と信じて
〈参考〉連作デッサン「黒い絵」 
あとがき
須藤康花年譜

ISBN:9784880594286
出版社:而立書房
判型:4-6
ページ数:210ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2021年07月
発売日:2021年07月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1D