岩波新書 新赤版 1889
大岡信 架橋する詩人
著:大井 浩一
紙版
内容紹介
戦後日本を代表する詩人にして、のびやかな感受性と偏りのない知性で、詩と諸芸術、物書きと一般読者、古典と現代、日本と海外、文学者相互の間を橋渡ししつづけた大岡。「分断」「閉塞」が強まる今こそ胸を打つ、希望のメソッドの全貌にせまる。戦後日本の文化・芸術・社会の様相を見晴らせる現代詩入門としてもおすすめの一冊。
目次
はしがき
序 章 焼け跡からの出発——『鬼の詞』
第1章 霊感と批評——『記憶と現在』、『現代詩試論』、詩誌『櫂』
1 朝鮮戦争の時代
2 「感受性の祝祭」の到来
3 新たな詩表現を求めて
第2章 越境、また越境——シュルレアリスム研究会、南画廊、パリ
1 美術という沃野
2 六〇年安保の時代
第3章 前衛へのスタンス——SAC、『蕩児の家系』、『肉眼の思想』
1 草月アートセンター
2 大学紛争の時代
第4章 「唱和」のよろこび——『紀貫之』、『うたげと孤心』、『春 少女に』
1 連句のダイナミズム
2 連詩の宇宙
第5章 詞華集の富と焦燥——『折々のうた』、『詩人・菅原道真』、田村隆一追悼詩
1 折々のうた
2 「世紀の変り目」以後
終 章 「うたげ」が架橋するもの——「中道リベラル」の位置
あとがき
主な参考文献/略年譜/人名索引