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日本古代の環境への心性史

感性から読み解く環境史

著:三宅 和朗

紙版

内容紹介

疫病や津波、地震など、さまざまな自然災害に直面した古代の人々。彼らは身近な人間も含めて、周囲の環境に五感を介して、何を感じ取っていたのか。そこには実際の環境だけではなく、異界や異類の想像力の世界も拡がっていた。生物学の環世界説を基点に、地域・階層・時代差を軸に、環境への心性史を構築する。感性から読み解く人間と環境の関係史。

目次

序章 日本古代の環境への心性史論―問題の所在/日本古代の心性史と環境史(主観的な環世界/環境への心性史の拡がり/地域差・階層差・時代差と史料)/九世紀陸奥海溝地震・津波と環境への心性史(九世紀陸奥海溝地震・津波と清和天皇/菅原道真と地震/「末の松山」の歌)/古代の人々と化身―『今昔物語集』を中心に(『今昔物語集』の化身譚/化身の時間/『古事記』『日本書紀』『風土記』の化身譚)/古代の人々の心性とまなざし(現世の人々の多様なまなざし/異界・異類を見るまなざし)/古代の視覚―異界・異類との関係をめぐって(現世へのまなざし/異類独自のまなざし/天狗と野猪)/古代の仏像の世界(仏像の不思議/仏像の異界性と神々の世界)/『今昔物語集』と環境への心性史(浜辺と木の胯/もう一人の小野篁/安義橋の鬼/黒山と千引石)/終章 雪を感じる―古代の人々の心性(雪―視覚と触覚/雪への心性)

著者略歴

著:三宅 和朗
1950年、東京都に生まれる。1980年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学名誉教授、博士(史学・慶應義塾大学) ※2022年6月現在
【主要著書】『古代国家の神祇と祭祀』(吉川弘文館、1995年)、『古代の王権祭祀と自然』(吉川弘文館、2008年)、『時間の古代史』(吉川弘文館、2010年)、『古代の人々の心性と環境』(吉川弘文館、2016年)、『日本古代の環境への心性史』(吉川弘文館、2021年)

ISBN:9784642046633
出版社:吉川弘文館
判型:A5
ページ数:400ページ
定価:6800円(本体)
発行年月日:2021年08月
発売日:2021年07月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ