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世界犯罪組織研究

マフィア、暴力団、三合会の組織構造分析

著:マウリツィオ・カティーノ
訳:土屋 晶子

紙版

内容紹介

本書は、組織論の専門家が、世界の犯罪組織の組織構造を分析した研究書である。犯罪組織も一般の合法的組織(一般企業のような)と同様、一定のルールに則って運営される。つまり独自の法則を持ち、新人採用を行い、ビジネスを営むことで組織を存続させていく。だが犯罪組織である彼らは、それをどのようにして行っているのか。暴力使用の基準は? 殺人を多く犯す組織とそうでないところの違いは? 独特の儀式や行動規範はなぜ存在するのか? 著者は世界の7つの有名な犯罪組織集団を比較研究し、歴史的記述、公式データ、警察等からの情報、インタビューなどをもとにそれぞれの犯罪組織の構造の特徴を丁寧に焙り出す。「犯罪企業」としての彼らの組織構造分析を行うことで、そのロジックを理解する助けとなり、それが結果として彼らへの対抗策になると述べる。暴力団やマフィアについて、法学(刑法)の専門家による研究書やジャーナリズムの観点から書かれた作品は多くあるが、組織構造を分析し、そこから彼らの特殊な組織行動のロジックを導き出すという本書は類がない。犯罪組織研究の分野に新たな視点をもたらし、また犯罪組織に対峙する人々にとっても多くをもたらす作品である。

著者略歴

著:マウリツィオ・カティーノ
ミラノ=ビコッカ大学組織社会学教授、ニューヨーク大学社会学科客員研究員。専門は組織社会学。組織の暗黒面や人的ミスと組織の失敗、マフィアと犯罪組織についての記事や著書多数。著書に“Organizational myopia”(Cambridge University Press, 2013)などがある。現在、組織におけるスケープゴートと罪を負わせる文化の問題について執筆を行っている。
訳:土屋 晶子
翻訳家。訳書に『フューチャー・イズ・ワイルド』(ダイヤモンド社)、『寿命100歳以上の世界』(CCCメディアハウス)、『人間と動物の病気を一緒にみる――医療を変える汎動物学の発想』(インターシフト)など。

ISBN:9784490210507
出版社:東京堂出版
判型:A5
ページ数:560ページ
定価:20000円(本体)
発行年月日:2021年06月
発売日:2021年06月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF