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文春文庫 チ-13-1

白墨人形

著:C・J・チューダー
訳:中谷 友紀子

紙版

内容紹介

 スティーヴン・キング強力推薦!
 少年時代の美しい思い出と、そこに隠された忌まわしい秘密。
 最終ページに待ち受けるおそるべき真相。
 世界36か国で刊行決定、叙情とたくらみに満ちた新鋭の傑作サスペンス。

 あの日、僕たちが見つけた死体。そのはじまりは何だったのか。僕たちにもわからない。みんなで遊園地に出かけ、悲惨な事故を目撃したときか。白墨のように真っ白なハローラン先生が町にやってきたときか。それとも僕たちがチョークで描いた人形の絵で秘密のやりとりをはじめたときか――。

 あの夏。僕には四人の友達がいた。太り気味のギャヴ、不良を兄に持つミッキー、シングルマザーの息子ホッポ、そして牧師の娘ニッキー。不良たちに襲撃されることも、僕がニッキーへの恋に胸を焦がすこともあったが、この日々が終わるなんて考えもしなかった。
 でも町では悲劇に至る不和が広がりはじめていたのだ。僕の母の診療所への反対運動をニッキーの父が煽り、ミッキーの兄に悲劇が降りかかり、少女の妊娠騒ぎが起こる。大人たちのあいだにも、僕たちのあいだにもヒビが入りはじめた。
 そして、あの事件が起きた。あの子が殺された。森で。バラバラになって。見つけたのは僕たちだった。でも、頭部は見つからないままだ。

 30年が経った現在。白墨人形の絵とともに、あの事件が甦る。あの人が死んだことで、事件は解決したはずなのに。
 20年ぶりに帰郷したミッキーは言った。「おれは真犯人を知ってる」。僕はかつての友人たちとともに、あの夏の秘密を探りはじめる……。

 光に満ちた少年時代のノスタルジーと、痛ましい犯罪の悲劇とが交錯し、最終ページに待ち受ける最後の一撃。巨匠キングが自ら「わたしの書くものが好きなら、気に入るはず」と激賞した話題作が文庫で登場。
 第2作『アニーはどこにいった』も絶賛発売中!

ISBN:9784167916992
出版社:文藝春秋
判型:文庫
ページ数:448ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2021年05月
発売日:2021年04月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB