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これからの公共政策学 2

政策と行政

監:佐野 亘
著:山谷 清志

紙版

内容紹介

わが国での「行政責任」についての議論は、まれにマスコミで「薬害エイズ」「アスベスト」「耐震強度偽装」など報じられることがあっても各論に終始してしまう傾向にあり、「行政責任」それ自体の議論へ発展していかない。本書では米国や英国をはじめとする諸外国における政治学、行政学、政策学の議論を参考にしながら、わが国独自の政治環境、行政文化においてどのように「行政の責任」の議論を構築するのか考える。

目次

刊行のことば
はしがき

序 章 政策と行政のアカウンタビリティ(山谷清志)
 1 政策とは何か
 2 行政とは何か
 3 アカウンタビリティとレスポンシビリティとは何か
 4 「民主主義のリテラシー」を考えよう


 第Ⅰ部 政策とその管理

第1章 行政責任と公共政策(南島和久)
 1 責任論の議論の前提
 2 行政責任の三つの次元
 3 政策とアカウンタビリティ
 4 四分五裂するアカウンタビリティ
 コラム① 芸術専門家と行政責任 

第2章 政策過程と実施過程(南島和久)
 1 政策過程の段階モデル
 2 政策立案と行政
 3 政策実施と行政
 4 新たな三つの研究領域
 コラム② 最終処分地選定にかかる文献調査 

第3章 政策過程と政策終了(南島和久)
 1 政策終了の概念
 2 政策評価と政策終了
 3 政策終了の三つのモデル
 4 責任論と終了論
 コラム③ Go Toキャンペーン 

第4章 行政責任の空洞化(北川雄也)
 1 障害者福祉政策からみえるもの
 2 障害者福祉政策と行政
 3 障害者福祉政策における行政責任
 4 行政責任の二事例
 5 レスポンシビリティ確保の必要
 コラム④ ハンセン病問題における行政責任 

第5章 予期しない政策インパクト(北川雄也)
 1 予期しない政策インパクトとは何か
 2 予期しない政策インパクトと行政責任
 3 予期しない政策インパクトが生じる構造的要因
 4 行政責任追及の困難とその克服
 コラム⑤ 混在する「インパクト」概念の整理 


 第Ⅱ部 行政とその統制

第6章 政策のコントロール(橋本圭多)
 1 公共部門の統制
 2 統制手段の変容
 3 行政と政策の統制
 コラム⑥ 予算の循環 

第7章 オンブズマンと行政責任(山谷清秀)
 1 オンブズマンとは何か
 2 日本のオンブズマン
 3 オンブズマンの役割
 4 オンブズマンによる行政責任の確保
 コラム⑦ 苦情とカスタマーハラスメント 

第8章 自治体の行政統制(山谷清秀)
 1 自治体における行政統制の全体像
 2 外在的制度的統制
 3 内在的制度的統制
 4 外在的非制度的統制
 5 内在的非制度的統制
 6 いかに政策をコントロールするのか
 コラム⑧ 行政の統制とSNS


 第Ⅲ部 行政の生理と病理

第9章 組織再編成と行政責任(鏡 圭佑)
 1 中央政府の政策責任
 2 社会の変化に適応する行政責任の体系
 3 省庁再編の歴史
 4 未完の組織再編成
 コラム⑨ 厚生省の内部部局の変動に関する先行研究 

第10章 汚職・腐敗と責任論(湯浅孝康)
 1 汚職と腐敗の歴史
 2 汚職への対応と変容
 3 日本における行政の失敗
 4 政策の病気の予防
 コラム⑩ 加計学園問題と日本学術会議 

第11章 ODA評価の行政過程(三上真嗣)
 1 行政過程とは何か
 2 ODA評価とは何か
 3 ODA 評価ガイドラインの変容
 4 行政過程の課題
 コラム⑪ 報告書を読書する 


終 章 政策学・行政学・評価学(山谷清志)
 1 政策と行政
 2 責任と評価
 3 行政学から考える政策学
 4 政策学への挑戦

索  引

著者略歴

監:佐野 亘
2022年11月現在
京都大学大学院人間・環境学研究科教授
著:山谷 清志
2022年11月現在
同志社大学政策学部,同大学大学院総合政策科学研究科教授

ISBN:9784623086856
出版社:ミネルヴァ書房
判型:A5
ページ数:306ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2021年05月
発売日:2021年05月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB