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サーカスの少女

著:植木 雅俊
絵:村上 豊

紙版

内容紹介

父の事業の失敗で、小学校入学を前に孝の一家は、雲仙・普賢岳の麓(ふもと)の有明海に面した城下街・島原に引っ越し、島原城のそばで新しい生活が始まった。
 一六二四年の築城時以来開かれてきた初市に毎年サーカスがやってきた。孝の家のそばの「サーカス小屋」に団員が寝泊まりし、家の前の広場は、象や、ライオンなどで動物園に早変わり。
 隣の同級生・則秋と孝は、サーカスの少女・雪子と仲良しになる。毎日のように初市を見にいったり、城のお堀に魚釣りに行ったり、則秋の祖父、梅三じいさんからいろんな話を聞いたりして、孝の心も、少女の心も大きく広がっていく。
 ところが、一ヶ月後に小学校入学でありながら、両親の仕事の都合で雪子は学校に通えないかもしれないと打ち明ける。孝は、一年前の自分の境遇を思い出し、雪子に何とかしてやりたくなった。
 学校に連れて行き、自分の席に座らせ、授業のまねをして、雪子の名前の書き方も教えてやる。
 しかし、十日間の初市は終わりに近付いた。雪子は、祖父の形見である犬のぬいぐるみを残して次の興行の地へと旅立っていった。
 豊かな自然と、心の温かい人に支えられて、育まれる幼い子どもたちの純粋な心を描いた自伝的小説。小学生から大人まで心洗われる秀作。

著者略歴

著:植木 雅俊
1951年長崎県島原市生まれ。島原高校卒、九州大学卒、同大学大学院修了。東洋大学大学院修了。
理学修士(九州大学)、文学修士(東洋大学)、人文科学博士(お茶の水女子大学)。
仏教思想研究家。日本ペンクラブ会員。
著訳書に『差別の超克』(お茶大提出博士論文、講談社学術文庫)、
『梵漢和対照・現代語訳 法華経』上下巻(岩波書店、毎日出版文化賞)、
『法華経とは何か』(中公新書)、
『仏教学者 中村元』(角川選書)、
『江戸の大詩人 元政上人』(中公叢書)、
『サンスクリット版全訳 維摩経 現代語訳』(角川ソフィア文庫)、
『今を生きるための仏教100話』(平凡社新書)、
『梵文「法華経」翻訳語彙典』(法藏館)など多数。
2018年4月、NHK-Eテレ「100分de名著 法華経」で〝指南役〟を務めた。

ISBN:9784909708021
出版社:COBOL
判型:4-6
ページ数:264ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2021年04月
発売日:2021年04月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:YFB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ