生物の科学 遺伝 2021年11月発行号(Vol.75‐No.6)
理研バイオリソース研究センター20年の歩み
編著:公益財団法人遺伝学普及会
内容紹介
ゲノム科学,難病研究からCOVID-19などの感染症研究まで,日本の共有財産「生物遺伝資源(バイオリソース)」を提供する理研バイオリソース研究センター(BRC)の20年を総括する。
2021年に創立20周年を迎えた理化学研究所バイオリソース研究センター(BRC)。BRCが整備している実験動物マウス,実験植物(シロイヌナズナや植物培養細胞株),細胞材料(動物/ヒト由来細胞やiPS細胞等の幹細胞),遺伝子材料(DNAクローン),微生物材料等の先端的で高品質なバイオリソースと,それらを活用した利用者による優れた研究例を紹介し,生命科学を駆動するバイオリソースについて概説する。
理研やバイオリソースに興味のある方,研究者を目指す方はもちろん,資料保存や情報統合等に興味のある方にもおすすめの1冊。
目次
◎フォトコンテスト
生物科学学会連合「第二回 生きものの “ つぶやき ”フォトコンテスト」―審査発表(4)
◎特集:理研バイオリソース研究センター20年の歩み
総論 理研BRC設立20周年に寄せて (城石 俊彦(理化学研究所))
1.理研BRCの設立と運営 ―信頼性,継続性,先導性 (小幡 裕一(理化学研究所))
2.実験動物マウスの整備事業 ―遺伝子機能の解明と人の健康増進・病気克服のためのバイオリソース (吉木 淳(理化学研究所))
3.マウスリソースの利用者から ―神経疾患研究における動物モデルの有用性 (竹林 浩秀(新潟大学))
4.植物研究に変革をもたらしたシロイヌナズナのリソース ―分子生物学からゲノム科学へ (小林 正智(理化学研究所))
5.植物リソースの利用者から ―シロイヌナズナ野生系統を用いてストレス耐性の多様性を解明~耐性のことは耐性植物に聞け(太治 輝昭(東京農業大学)/有賀 裕剛(農研機構))
6.培養細胞 ―がん細胞株・iPS細胞等(中村 幸夫(理化学研究所))
7.細胞リソースの利用者から ―幹細胞医学の展開~細胞の運命を操る技術とその応用(青井 貴之(神戸大学))
8.遺伝子(DNA),遺伝子クローン(発現ベクター) (三輪 佳宏/村田 武英(理化学研究所))
9.遺伝子リソースの利用者から ―ヒト転写因子の網羅的解析を可能にするバイオリソース (秋山 智彦/中武 悠樹/洪 繁/洪 実(慶応義塾大学),小原 收(かずさDNA研究所),的場 亮(DNAチップ研究所),阿久津 英憲(国立成育医療研究センター研究所),西村 邦裕(テンクー))
10.環境と健康の分野に有用な微生物の研究材料の整備 (大熊 盛也(理化学研究所))
11.微生物リソースの利用者から ―環境中におけるプラスミドの伝播現象の解明-微生物カルチャーコレクション(JCM株)を用いた試み (新谷 政己(静岡大学))
12.統合情報開発 ―バイオリソース情報の統合と発信 (桝屋 啓志(理化学研究所))
◎投稿
「家康公お手植えミカン」は紀州ミカンなのか~ゲノム分析で謎に迫る~ (芦川 美帆/杉本 万実/平田 深華/向山 眞央(静岡雙葉高等学校),清水 徳朗(農業・食品産業技術総合研究機構))
◎連載
高校生物・ワクワク宣言!!
生物部の活動のほか,他校交流や実験などをどう授業に活かすか (阿部 一郎(錦城高等学校))
植物を集める!!
[第5回]ツュンベリー (長田 敏行(東京大学名誉教授,法政大学名誉教授))
シゴト×セイブツ
[第6回] IT業界×生物学 ―夢中になった時間は未来への贈り物 (プレゼンター:道上 達男(東京大学))
実験観察の勘どころ
デトリタスに奪われる河川の溶存酸素と生物環境 ―継続的な野外活動から浮かび上がったデトリタスの問題点(久後 地平(兵庫県立香寺高等学校))
ISBN:9784860437015
。出版社:エヌ・ティー・エス
。判型:B5
。ページ数:124ページ
。定価:1600円(本体)
。発行年月日:2021年11月
。発売日:2021年10月25日。