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フーコー研究

著:小泉 義之
著:立木 康介

紙版

内容紹介

死後35年余、ますます重要性を増すミシェル・フーコー。実証的研究と哲学的考察が交差するその巨大な思想圏を、現在の人文科学の観点から多角的に解明する。京都大学人文科学研究所が主催、3年に渡る共同研究の成果を一挙収録。今後の人文科学において長く参照されうる強度をもった、フーコー研究の最前線にして到達点。

目次

まえがき‥……………小泉義之
引用の注記について


Ⅰ 安全/科学/セクシュアリティ
 1 疫病下のフーコー——死に照らされた深い革命……………小泉義之
 2 配慮と不安を遠ざけるもの——『安全・領土・人口』におけるセキュリティについて……………西迫大祐
 3 フーコーの「考古学」と科学史記述——「断絶説」をめぐって……………隠岐さや香
 4 言説、科学、イデオロギー——「セクシュアリテの考古学」から「セクシュアリテの系譜学」へ……………坂本尚志


Ⅱ 啓蒙/批判/主体
 1 フーコーと啓蒙——自己へのオデュッセイアの途上で……………佐藤淳二
 2 フーコーとカントの人間学——「私たちの知の根拠へと向かわせる秘密の道」をめぐって……………田中祐理子
 3 死者の疎外論 ……………松本潤一郎
 4 主体とは何か……………藤田公二郎


Ⅲ 言語/文学/芸術
 1 フーコー「文学論」の射程——一九七〇年のサド/フローベール講演をめぐって……………森本淳生
 2 フーコーはいかにしてレーモン・ルーセルを読んだか ……………柴田秀樹
 3 「文学」の失効を語るフーコーを巡って——統治性の変遷から見た文学の行方……………上田和彦
 4 フーコーと現代性の美学——「そうであるのとは違うように想像すること」をめぐって……………武田宙也


Ⅳ 狂気/人間/精神分析
 1 「精神分析の考古学」の行方 ……………立木康介
 2 《Salvate animam meam》——フーコーの治癒の哲学……………上尾真道
 3 狂気、主体、真理——フーコーとラカンにおけるデカルト的コギトをめぐって……………柵瀬宏平
 4 『狂気の歴史』と孤島——あるいは、フーコーによって書かれるはずもない「自閉症の歴史」について…………… 久保田泰考
 5 二重化するフーコー——一九六一年の人間学批判とヘーゲル、ハイデガー、カント……………王寺賢太


Ⅴ 運動/権力/(新)自由主義
 1 フランスの中絶解放運動とフーコー——GISの活動から……………相澤伸依
 2 生権力/生政治とは何か——レイシズム、自由主義、新自由主義……………佐藤嘉幸
 3 「主婦化」するホモ・エコノミクス——新自由主義的主体の変容と未来……………中井亜佐子
 4 権力の新たなエコノミー——眩しくて見えない/単眼で見る……………北垣 徹


Ⅵ 真理体制/統治性/資本
 1 真理体制概念からアナーキーな権力分析へ——フーコー新自由主義論をめぐる論争を超えて……………箱田 徹
 2 生権力と福祉国家——ミシェル・フーコーの七〇年代……………前川真行
 3 統治性論はなぜ棄てられたのか……………廣瀬 純
 4 人間の群れ——資本という近代と反復する本源的野蛮目……………長原 豊


Ⅶ パレーシア/神/倫理
 1 生き様のパレーシア ……………千葉雅也
 2 砂の上の〈監視〉と〈舵取り〉・ノート ……………丹生谷貴志
 3 パレーシアと民主制 ……………堀尾耕一
 4 せめて風狂であるために——パレーシア論について……………布施 哲
 5 ソフィストはいかにしてパレーシアストになったか ……………市田良彦


あとがき……………立木康介

著者略歴

著:小泉 義之
小泉義之(こいずみ よしゆき)
立命館大学。哲学、倫理学。『ドゥルーズの霊性』(河出書房新社)他
著:立木 康介
立木康介(ついき こうすけ)
京都大学人文科学研究所。精神分析。『女は不死である』(河出書房新社)他

ISBN:9784000614610
出版社:岩波書店
判型:A5
ページ数:590ページ
定価:16000円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DDF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1DDN