落日の罪
青春の苦悩と叛骨
著:秋元 貞雄
編著:秋元 千惠子
紙版
内容紹介
本書は昭和7年に満洲に生まれ、戦後引揚げて、一出版人として生きた秋元貞雄(令和2年6月死去)の遺した小説とエッセイ、そして各時代の写真による作品集であり、二十世紀という大きな時代の小さな証言としての意義を有する。伴侶の歌人・秋元千惠子による綿密なる編集。
「秋元貞雄の故郷「満洲国」は終戦で滅びた。いまや満洲を語れる昭和の証言者は少ない。一庶民貞雄の無垢な心に刻まれた時代の真実だからこそ、次世代に伝え後世に遺したい。お目通し頂ければ幸いに存じます。」(秋元千惠子)
目次
第一章 小説作品
運命
落日の罪
ある青春
遠くの花火
悲しき慕情
醜女との関係
恋情
自惚れ成佛
第二章 エッセイ
文学と映画
序章/文芸映画に就いて/文芸的作品の穴/日本映画の芸術性/怒声/観劇の後で
日記 一九五二
日記 一九五六
日記 一九五七
第三章 平凡が良し
往時茫々
わが内に揺れやまざる満洲
〈参考資料〉秋元貞雄インタビュー記事
健康に暮らすための道標として始めた店「現代」
へるしー・らいふ
自然食品ってなに/化学調味料ってなに/玄米食ってなに/現代病ってなに
一本の杖
かえり船
室生犀星
上林暁
秋元貞雄略年譜
戦後の焦燥を背負って 北大路翼
解説 王道も楽土もない時代を生きる 池田康
「秋元貞雄作品集」刊行について 「女房慕何」の記 秋元千惠子
付録 晩年の周辺
詩歌の環境28〜33(ぱにあ103〜108)
短歌作品(二〇一八〜二〇二〇年)
写真で辿る叛骨の生涯