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自然の現象学入門

著:中 敬夫

紙版

内容紹介

著者が生涯にわたり構想・構築した,すべての現象学・現象学的思考の根底となる「自然の現象学」。本書はその成果として世に問うた諸論攷を俯瞰するとともに,その基礎でありながらこれまで個別に論究された「感性論」「論理」「実在と表象」「自由と非自由」「身体論」「他者論」といった重要テーマについて,それらを串刺しにする透徹したパースペクティヴより詳説。

目次


第一章 「自然の現象学」入門<br> 
 第一節 「現象学」とは何か<br>
  ⑴ 「現象」について<br>
   ⒜「現象」概念の検討/⒝「現象学的還元」の意味<br>
  ⑵ 「学」について<br>
   ⒜「学」の諸規定/⒝「学」の諸前提<br>
  ⑶ 「現象学」について<br>
 第二節 「自然の現象学」とは何か<br>
  ⑴ 「自然」について<br>
   ⒜「自ずから立ち現れるもの」としての「自然」/⒝〈多における一〉と〈一における一〉/<br>
   ⒞「歴史」「文化」と「自然」/⒟「自然」な生き方<br>
  ⑵ 「自然」と「現象学」について<br>
  ⑶ 「自然の現象学」について<br>

第二章 『自然の現象学』の展開<br>
 第一節 時間・空間の論理<br>
  ⑴ 空間と〈多なき一〉の論理<br>
  ⑵ 時間と〈一における一〉の論理<br>
  ⑶ 〈一における多〉と〈一なき多〉と〈多なき一〉と<br>
 第二節 歴史と文化の根底へ<br>
  ⑴ 世界と大地の闘い<br>
  ⑵ 歴史の根底としての自然<br>
  ⑶ 文化の根底としての自然<br>
 第三節 行為と無為<br>
  ⑴ 自由と非自由の現象学<br>
  ⑵ 行為の自由と非自由<br>
  ⑶ 神の自由/非自由と行為/無為<br>
 第四節 身体の生成<br>
  ⑴ 心身の区別と合一<br>
  ⑵ 身体の発生論的構成<br>
  ⑶ 場所と身体<br>
 第五節 他性と場所<br>
  ⑴ 古典的な現象学的他者論の問題構制<br>
  ⑵ 神の他性と他者の他性<br>
  ⑶ 絶対我/絶対者の哲学と他性の諸問題<br>
  ⑷ 〈私と汝〉と〈於てある場所〉と〈於てあるものなき場所〉と<br>

第三章 『自然の現象学』出門<br>
 第一節 「自然の現象学」の基礎的諸概念に関する諸問題<br>
  ⑴ 「自然」の意味<br>
  ⑵ 〈小さい自然〉と〈大きい自然〉<br>
  ⑶ 〈内なる自然〉〈外なる自然〉〈一なる自然〉<br>
  ⑷ 「非自由」と「無為」の真相<br>
  ⑸ 〈隠れているものの現象〉の意味<br>
 第二節 「自然の現象学」の基礎的論理に関する諸問題<br>
  ⑴ 〈一〉から〈多〉への諸問題<br>
  ⑵ 「他性」の出現<br>
  ⑶ 〈非脱自的な印象の非脱自的な自己印象〉と〈場所の自己-触発〉<br>
  ⑷ 「場所」の論理<br>
 第三節 『自然の現象学』における表現と方法に関する諸問題<br>
  ⑴ 「普遍」・「個物」と言葉の問題<br>
  ⑵ 諸問題構制の連関について<br>
  ⑶ 自説と他説―「哲学」の可能性の問題<br>
第四節 『自然の現象学』ののちの「自然の現象学」<br>

 あとがき<br>

著者略歴

著:中 敬夫
1955 年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程学修退学。パリ第四(ソルボンヌ)大学博士課程修了(博士号取得)。現在,愛知県立芸術大学美術学部教授。
著書に,『メーヌ・ド・ビラン―受動性の経験の現象学―』(世界思想社,2001 年),『行為と無為―《自然の現象学》第三編―』(萌書房,2011 年)ほか。訳書にミシェル・アンリ『受肉』(法政大学出版局,2007 年)ほか。

ISBN:9784860651442
出版社:萌書房
判型:4-6
ページ数:248ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年02月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDTL