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次世代パワー半導体デバイス・実装技術の基礎-Siから新材料への新展開-

著:田中 保宣

紙版

内容紹介

本書は、ワイドバンドギャップ 半導体による次世代パワーデバイスに加え、性能限界が叫ばれる中でも更なる性能向上を進めているSi パワーデバイスの研究開発の最前線について、各分野の代表的な研究者を著者に迎え編集したものです。
炭化ケイ素(SiC) に代表されるワイドバンドギャップ半導体は、Si と比較して高い絶縁破壊耐性、熱伝導率など、パワー半導体材料として要求される優れた物性を有しているため、Si パワーデバイスに置き換わる次世代パワー半導体材料として期待されています。2020 年現在、既に実用化の適用範囲を広げつつあるSiC パワーデバイスや、活発に研究開発が行われている窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga2O3)、更にはダイヤモンドなど、SiCに続く半導体材料・デバイスについて解説しています。

目次

第1章 パワーデバイスの基礎
1-1 パワーデバイスとは
1-1-1 パワーデバイスの役割
1-1-2 パワーデバイスの基本動作
1-1-3 パワーデバイスの分類
1-2 耐圧設計
1-2-1 チップ基本構造
1-2-2 ドリフト設計
1-2-3 終端設計
1-3 ダイオード
1-3-1 基本構造と動作
1-3-2 リカバリー特性
1-3-3 構造の進展
1-4 パワーMOSFET
1-4-1 基本セル設計
1-4-2 スイッチング特性
1-4-3 破壊耐量
1-4-4 構造の進展
1-5 IGBT
1-5-1 基本構造と動作
1-5-2 スイッチング特性
1-5-3 破壊耐量
1-5-4 構造の進展
第2章 SiCパワーデバイス
2-1 SiCパワーデバイスの特徴
2-1-1 期待される性能
2-1-2 デバイスプロセス
2-2 SiCウェハ、エピタキシャル成長技術
2-2-1 バルク単結晶成長技術
2-2-2 エピタキシャル成長技術
2-3 SiCダイオード
2-3-1 ショットキーバリアダイオード(SBD)
2-3-2 PiN ダイオード
2-3-3 複合型ダイオード
2-4 SiC-MOSFET
2-4-1 基本構造
2-4-2 SiC-MOS界面
2-4-3 その他の技術的課題
2-5 その他のSiCパワーデバイス
2-5-1 接合型トランジスタ
2-5-2 IGBT
2-6 まとめ
第3章 GaNパワーデバイス
3-1 GaNパワーデバイスの特徴
3-1-1 はじめに
3-1-2 横型GaNパワーデバイスの特徴
3-1-3 縦型GaNパワーデバイスの特徴
3-2 横型GaNパワーデバイスの構造設計
3-2-1 AlGaN/GaN層構造の設計
3-2-2 ノーマリオフゲート構造の設計
3-2-3 ダイナミックオン抵抗の増加
3-2-4 Si基板上GaNエピタキシャル成長技術
3-2-5 横型GaNパワーデバイスの特性と課題
3-2-6 これからの技術開発動向
3-3 縦型GaNパワーデバイスの構造設計
3-3-1 はじめに
3-3-2 縦型GaNパワーデバイスの開発の歴史
3-3-3 基本構造とプロセス技術
3-3-4 ゲート構造の設計とプロセス
3-3-4-1 再成長技術
3-3-4-2 トレンチ形成技術
3-3-4-3 ゲート絶縁膜形成技術
3-3-5 ドリフト層の設計とプロセス
3-3-5-1 低濃度ドーピング技術
3-3-5-2 C混入の課題
3-3-6 終端構造の設計とイオン注入
3-3-7 GaN基板開発
3-4 今後の展望
第4章 Ga2O3パワーデバイス
4-1 はじめに
4-2 Ga2O3の物性
4-2-1 結晶多形
4-2-2 パワーデバイス応用に重要な物性
4-3 融液成長単結晶バルク
4-4 薄膜エピタキシャル成長
4-4-1 MBE
4-4-2 HVPE
4-4-3 MOCVD
4-4-4 ミストCVD
4-5 ダイオード
4-5-1 HVPEドリフト層を有するショットキーバリアダイオード
4-5-2 フィールドプレートショットキーバリアダイオード
4-5-3 Nイオン注入プロセスにより作製したガードリングを有する
      フィールドプレートショットキーバリアダイオード
4-5-4 トレンチショットキーバリアダイオード
4-5-5 α-Ga2O3ショットキーバリアダイオード
4-5-6 p型アモルファス酸化物/n型Ga2O3ヘテロ接合ダイオード
4-6 横型FET
4-6-1 MESFET
4-6-2 ディプレッションモードMOSFET
4-6-3 フィールドプレートMOSFET
4-6-4 変調ドープFET
4-6-5 ノーマリーオフFET
4-7 縦型FET
4-7-1 電流アパーチャーFET
4-7-2 フィンチャネルFET
4-8 今後の課題、展望
4-9 まとめ
第5章 ダイヤモンドパワーデバイス
5-1 はじめに
5-2 ダイヤモンドウエハ化技術
5-2-1 技術背景
5-2-2 結晶作製方法
5-2-3 結晶加工方法
5-2-4 まとめ
5-3 p型エピタキシャルダイヤモンド
5-4 高品質・高純度化学気相成長ダイヤモンド
5-4-1 ダイヤモンド膜の高品質化
5-4-1-1 ダイヤモンド膜中に形成される結晶欠陥
5-4-1-2 酸素添加による欠陥抑制
5-4-2 ダイヤモンド膜の高純度化
5-5 N型エピ技術(リンドーピングによるn型伝導制御技術)
5-6 ダイヤモンドSBDとMESFET
5-7 ダイヤモンドSBDの進展
5-8 ダイヤモンドPINおよびBJT素子
5-9 ダイヤモンド評価技術 EBIC
5-10 反転層チャネルダイヤモンドMOSFET
5-11 2DHGをチャネル層に適用したダイヤモンドMOSFET
5-11-1 2DHG層による蓄積層または反転層
5-11-2 ダイヤモンドMOSFET のオフ状態での高耐圧化、オン状態の電流密度向上
5-11-3 ノーマリオフ動作での高耐圧特性
5-11-4 縦型ダイヤモンドFET
5-11-5 まとめと将来性
第6章 ワイドバンドギャップ半導体のための実装技術
6-1 はじめに
6-2 活用したい先進パワーデバイスの性能と求められる実装技術
6-2-1 低オン電圧性能の活用
6-2-2 高速動作性能の活用
6-2-3 高温動作性能の活用
6-2-4 超高耐圧性能の活用
6-3 パワーデバイス実装技術の基礎
6-3-1 パワーモジュールの実装構造
6-3-2 各構造に共通する技術
6-4 ワイドギャップ半導体用実装技術
6-5 今後の展望

著者略歴

著:田中 保宣
所属:(国研)産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター
経歴:大阪大学大学院で博士号を取得後、1996年に工業技術院電子技術総合研究所(当時)に入所。低速イオン散乱法 (ISS) やラザフォード後方散乱分光法(RBS)による半導体表面分析、及び炭化ケイ素(SiC)へのイオン注入による伝導度制御技術開発に従事。2001年に (独) 産業技術総合研究所 (当時) に改組後、一貫してSiCパワーデバイスのプロセス技術開発、デバイス構造設計・デバイス開発に携わり現在に至る。現職は産業技術総合研究所先進パワーエレクトロニクス研究センター・副研究センター長。
専門:半導体物性、半導体デバイス
所属学会:応用物理学会、電気学会

ISBN:9784904774953
出版社:科学情報出版
判型:A5
ページ数:279ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2021年01月
発売日:2021年01月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:TJF