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講談社文庫

密やかな結晶

新装版

著:小川 洋子

紙版

内容紹介

その島では多くのものが徐々に消滅していき、一緒に人々の心も衰弱していった。
鳥、香水、ラムネ、左足。記憶狩りによって、静かに消滅が進んでいく島で、わたしは小説家として言葉を紡いでいた。少しずつ空洞が増え、心が薄くなっていくことを意識しながらも、消滅を阻止する方法もなく、新しい日常に慣れていく日々。しかしある日、「小説」までもが消滅してしまった。
有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。

著者略歴

著:小川 洋子
小川洋子(おがわようこ)…岡山市生まれ。早稲田大学文学部卒。1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花賞、06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に『猫を抱いて象と泳ぐ』『原稿零枚日記』『人質の朗読会』『最果てアーケード』『いつも彼らはどこかに』『琥珀のまたたき』などがある。海外での評価も高い。

ISBN:9784065214640
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:448ページ
定価:820円(本体)
発行年月日:2020年12月
発売日:2020年12月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ