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燈台ライブラリ

幻花

音楽の生まれる場所

著:佐藤 聰明

紙版

内容紹介

世界的に著名な作曲家・佐藤聰明のこの十年の思いをつづるエッセイ集。青春時代の思い出、痛切な能体験、音楽創造のあらゆる局面についての独自の見解など、話は多岐にわたる。宗教の本質とも対峙する思索は深く、この百年で書かれた最も厳しい芸術論といえる。
「芸術家の美を求める旅程に終わりはない。/しかし悟りをえた後には安心立命という褒美があるようだが、芸術家にもたらされるものは何もない。死を迎えるまでの果てのない呻吟のみである。/しかし凡百の説法を聴聞するより一曲の浄らかな音楽に耳を澄ますことのほうが、すべての宗教の核心にある聖なるものに触れえるだろう。/なぜなら音楽は直感によってのみもたらされるものだからだ。/森羅万象の声が作曲家の耳を通し濾過され抽出されているからである。」(本文より)

目次

幻花 ──音楽の生まれる場所
詩と呪文
気配ということ
映画、舞踊、そして音楽
歌うということ
青春 一
青春 二
花はなぜ美しい
あとがき

著者略歴

著:佐藤 聰明
独自の作風で知られる佐藤聰明は独学の作曲家。一九九九年ニューヨーク・フィルハーモニーによる世界を代表する五人の作曲家として作品を委嘱されたミレニアムコンサートなど、世界的に活躍している。ことにアメリカではオーケストラ公演を含む一七回の作品演奏会が催されている。ダーティングトン国際音楽祭(イギリス)、チェルシー音楽祭(ニューヨーク)などのテーマ作曲家。内外でリリースされたCD作品集は二十枚に及ぶ。小栗康平監督の日仏合作映画「Foujita」や、陳傳興監督の中国映画「水を掬えば月は手に在り」などの音楽を担当。著書に「耳を啓く」(春秋社)がある。

ISBN:9784909385215
出版社:洪水企画
判型:新書
ページ数:192ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2020年12月
発売日:2020年12月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AV