近代日本宗教史 第三巻
近代日本宗教史 第三巻 教養と生命
大正期
他編:島薗 進
他編:末木 文美士
他編:大谷 栄一
内容紹介
近代日本も大正には安定期に入った。だが、近代社会特有の問題が姿を見せる。直面した煩悶青年たちにより、「教養としての宗教」の受容が始まる。修養としての身体技法も現れた。そして宗教的共同体は問題の解決を目指し、神道は昭和に向けて行政改革を行う。
目次
巻頭言
第一章 総論――大正宗教史の射程 大谷栄一
一 「宗教」と「宗教的なもの」と「非宗教」
二 教養主義と宗教のかかわり
三 民間精神療法と「二つの近代化」
四 宗教界の大正デモクラシー
五 「改造」の時代と宗教界
六 本巻の構成
第二章 大正の教養主義と生命主義 碧海寿広
一 はじめに
二 教養主義と生命主義
三 仏像・親鸞・哲学
四 僧侶の教養/生命主義
五 生命主義から宗教へ
六 おわりに
――コラム① 生命と霊性 安藤礼二
第三章 心霊と身体技法――霊動するデモクラシー 栗田英彦
一 はじめに
二 霊動と霊術の近代日本
三 太霊道――啓蒙の身体技法
四 霊的デモクラシーの挫折
五 岡田式静坐法――自由の身体技法
六 おわりに
――コラム② キリスト教とハンセン病 杉山博昭
第四章 近代宗教とジェンダー――明治・大正期の女性と宗教 佐伯順子
一 はじめに
二 近世以前の女性の「霊力」
三 幕末から明治期における女性教祖の登場
四 市井に残る女性の霊力と近代神道の巫女
五 既存宗教における女性の役割――近代仏教と女性
六 キリスト教と女性――日本社会における「宗教」への関心の高まりのなかで
七 結論
――コラム③ 「念じて植える」――寄進植樹 岡本貴久子
第五章 地域社会と神社 畔上直樹
一 はじめに
二 大正期の地域社会と神社制度・政策
三 神社合祀政策と地域社会
四 神社「森厳」の強調と合祀反対運動
五 神社政策と「下からの」主体的契機
六 肥大化する社会のなかの神社観
七 おわりに
――コラム④ 御真影 小野雅章
第六章 社会事業と宗教的共同体 永岡崇
一 はじめに
二 近代日本の宗教的社会事業
三 “社会問題”を語る(1)
四 大正期における教団社会事業の展開
五 宗教的共同体の誕生
六 “社会問題”を語る(2)
七 社会事業と社会奉仕
八 おわりに
――コラム⑤ 南島とキリスト教 一色哲
第七章 天皇信仰の展開 藤本頼生
一 はじめに――「明治」の終焉
二 明治天皇の崩御と大喪儀
三 明治神宮の創建をめぐって
四 大正の御大礼と神社界――登極令と神社の奉祝事業から
五 皇陵巡拝の増加
六 おわりに
――コラム⑥ 大正モダンと明治神宮 今泉宜子
第八章 日系仏教の海外への拡がりと思想交流 守屋友江
一 はじめに
二 アメリカへの日本人の国際移動と宗教
三 「日系アメリカ仏教」の展開
四 禅のグローバル化
五 おわりに
ISBN:9784393299630
。出版社:春秋社
。判型:A5
。ページ数:288ページ
。定価:3200円(本体)
。発行年月日:2020年11月
。発売日:2020年11月24日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRAX。