人物叢書 243(オンデマンド版)
京極為兼
著:井上 宗雄
紙版
内容紹介
鎌倉時代後期の歌人。藤原定家の流れを汲む和歌の一門に育ち、伝統的な歌風を刷新する「京極派」を確立。宗家の二条派と争った末、勅撰集『玉葉和歌集』を撰進するが、「和歌の師範」の立場を超えた政治への介入を疎まれ、二度の配流に遭う。清新な美意識と印象鮮明な歌風に彩られた豊富な作品を織り交ぜながら、反骨を貫いた波瀾の生涯を描く実伝。
目次
序=和歌の家(家系/祖父為家の妻室・諸子/父為教とその周辺)/第一=為兼の成長期(誕生とその幼少期/歌人としての初学期/反宗家の志―建治・弘安期―)/第二=政界への進出―正応・永仁期―(伏見天皇の親政/歌風の模索/君寵の権勢/永仁勅撰の議)/第三=第一次失脚(傍輩の讒言/籠居の日々/佐渡配流/為兼不在時の歌壇)/第四=帰還以後―嘉元・徳治期―(『為兼卿記』に沿って/京極派の高揚/皇位をめぐる政局)/第五=両卿訴陳と『玉葉集』(伏見院政開始/両卿訴陳(一)―資料―/両卿訴陳(二)―その経過―/両卿訴陳(三)