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サピエンティア 61

領土の政治理論

著:マーガレット・ムーア
訳:白川 俊介

紙版

内容紹介

日本列島は日本人のものなのか。この問いにきちんと答えることは実は難しいのではないか。国家が領土を持つのは当たり前だと思われている。だが、なぜその領土支配は正当だと言えるのか。現在、世界各地で、国境管理や天然資源をめぐる領土や境界線にまつわる問題が頻発している。本書はこうした問題を解決するうえでの一つの哲学的な糸口を探求する。領土とは何か、規範理論から問う。

目次

日本語版への序文
謝辞
第一章 なぜ領土の政治理論が必要なのか
第二章 領土とは何か――概念的な分析と正当化の重荷
第三章 領土権の基盤――個人の道徳的居住権・集団の道徳的占有権・人民の自決権
第四章 非国家主義者による領土論
第五章 機能主義および国家主義に基づく領土論
第六章 中核をなす土地、係争地、分離独立、境界線
第七章 土地、領土、所有物の不当な取得と矯正的正義
第八章 領土権と天然資源
第九章 領土権と国境や移民を管理する権利
第一〇章 領土保全の権利と武力行使の正当性
第一一章 結論
訳者あとがき
参考文献
索引

著者略歴

著:マーガレット・ムーア
(Margaret Moore)
カナダの政治哲学者。カナダのウェスタン大学にて哲学修士号を取得後,ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにて,ジョン・シャルヴェの指導のもと,政治学博士号を取得。その後,カナダのヨーク大学,ウォータールー大学を経て,現在,クイーンズ大学政治学部(および哲学部)教授,ならびに民主主義と多様性研究センターのセンター長を務める。著書に,Foundations of Liberalism (Oxford University Press, 1993), Ethics of Nationalism (Oxford University Press, 2001), A Political Theory of Territory (Oxford University Press, 2015), Who Should Own Natural Resources? (Polity, 2019) がある。
訳:白川 俊介
1983年生まれ。関西学院大学総合政策学部准教授(政治哲学・国際倫理学)。
主な業績:『ナショナリズムの力──多文化共生世界の構想』勁草書房, 2012年, 「健康格差・頭脳流出・グローバル正義──「退出の権利」に対する制約の正当化に関する一考察」『政治思想研究』第19号, 2019年, 123-152頁ほか。

ISBN:9784588603617
出版社:法政大学出版局
判型:A5
ページ数:388ページ
価格:4500円(本体)
発行年月日:2020年10月
発売日:2020年10月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LB