つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史
他著:岸本 宏子
他著:酒巻 和子
他著:小畑 恒夫
内容紹介
クラシック音楽はどこから来て、どこへ向かうのか?
神の音楽から人の音楽へ、そして世界音楽の時代へ──。
因果関係(ストーリー)が見える納得の音楽史!
西洋音楽の「西洋」って?
その基盤となった古代ギリシャの音楽観とは?
多大な影響を与える3大宗教とは?──
クラシック音楽の解説本は数あれど、
その成り立ちから「そもそも」のところを
わかりやすく教えてくれるのはこの本だけ。
「1 西洋音楽ができるまで」
「2 神の音楽から人の音楽へ」
「3 西洋音楽のたたわな実り、そして……」の3部構成で、
たんなる作曲家や作品のカタログではなく、
西洋音楽の流れを解きほぐし、
初心者にも理解できるように書かれています。
重要トピックを取り上げたコラムには、
面白かわいいイラストも満載!
◎執筆担当
岸本宏子:中世〜ルネサンス、ごあいさつ、序章、終章、あとがき
酒巻和子:バロック〜古典派担当
小畑恒夫:オペラ担当
石川亮子:ロマン派、近現代担当
有田 栄:近現代担当
目次
ごあいさつ
序章 はじめに知っておきたいこと
西洋とは
ヨーロッパ大陸の主人公たち
フランク王シャルル、西ローマ皇帝に
ポイント1 古代ギリシャの音楽観と西洋音楽
アポロンとディオニュソス
音楽のシステムは小宇宙
音楽には役割がある
現在のヨーロッパ世界への影響
コラム◆ギリシヤ神話にみる音楽観
ポイント2 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教
ユダヤ教
キリスト教
イスラム教
コラム◆ヨーロッパ、3つの主人公と3つの宗教
1 西洋音楽の始まり[中世~ルネサンス]
第1節 教会の歌──祈りの歌
フランク王国とローマ教会
グレゴリオ聖歌と付け足し加工
オルガヌムと多声音楽
大問題発生──音楽と時間
コラム◆中世ヨーロッパの成立とグレゴリオ聖歌
◆グレゴリオ聖歌
◆トロープスとオルガヌムの歴史
第2節 宮廷歌人の歌──心の歌
もうひとつの出発点
詩をつくって歌う宮廷人たち
コラム◆トルバドゥールと宮廷歌人の歌
第3節 技術改革の時代「アルス・ノヴァ」──決定版・音楽づくりの道具
『アルス・ノヴァ(新技術)』までの道のり
素材の加工から創作へ
響きも形も美しい歌をめざして──ルネサンスへの道
コラム◆目で見る記譜法の歴史
◆年表1
◆ルネサンス以前の音楽と歌の作り方
◆中世の音楽人と宮廷歌人たち
第4節 ルネサンス時代の音楽
ルネサンスの到来
第一期 新旧様式の交代期──ブルゴーニュ楽派
第二期 ルネサンス様式の確立──フランドル楽派
第三期 ルネサンス様式の完成と爛熟──イタリア
バロックに向けての二つの底流
楽器と音楽
宗教と音楽
コラム◆あなたも知っているルネサンス
◆ルネサンス第21期 ブルゴーニュ楽派
◆ルネサンスの音楽人 第1期と第2期
◆ルネサンス第2期 フランドル楽派
◆ルネサンス第3期 イタリア人の時代
◆ルネサンスの音楽人 第3期 イタリア
◆ルネサンスの音楽人 イタリア以外
◆ルネサンスの音楽人 音楽理論家ほか
2 「神の音楽」から「人の音楽」へ[バロック~古典派]
それは激しい感情を訴える独唱歌曲から始まった
モノディ様式
コラム◆通奏低音
第1節 声のドラマ オペラと声楽曲
「モノディ様式」以前のドラマ
オペラの誕生──フィレンツェ
マントヴァとモンテヴェルディ
ローマ
ヴェネツィアと商業劇場の発展
ヨーロッパ諸国へひろがるオペラ
オペラ以外の声のドラマ──オラトリオ、カンタータ
ナポリ派の隆盛
メタスタージオとオペラ・セリア
喜劇オペラ──「ブッファ」と「インテルメッゾ」
グルックのオペラ改革
一八世紀後半──ナポリ派の国際化
古典派時代のオペラ──モーツァルト
コラム◆モンテヴェルディ①②
◆カストラートの活躍
◆リュリとモリエール
◆ヘンデル オペラ&オラトリオ
◆ヘンデルと劇音楽
◆オペラの分類
◆オペラ・セリアとオペラ・ブッファ
◆劇場運営
第2節 音のドラマ──バロックの器楽
ひとつの楽章のなかのドラマ、多楽章によるドラマ
組曲
バロック時代のソナタ
1 演奏形態による分類
2 楽章構成による分類
バロック時代のコンチェルト(協奏曲)
1 コンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)
2 ソロ・コンチェルト(独奏協奏曲)
フーガ
即興的な形式
変奏曲
コラール前奏曲
コラム◆宮廷での舞踏会
◆アルカンジェロ・コレッリのトリオ・ソナタ
◆J.S.バッハ《ブランデンブルク協奏曲》の編成
◆J.S.バッハとバッハ・ファミリー
◆バロック時代の鍵盤楽器
◆クレモナの名工──ヴァイオリン製作者たち
◆バロックの演奏習慣
第3節 絶対音楽の完成にむけて──古典派への道
後期バロックから初期古典派へ
ギャラント様式
多感様式
初期の交響曲
ミラノ
マンハイム
ベルリン
ウィーン
第4節 交響曲の誕生とソナタ形式──古典派の時代
管弦楽曲──交響曲とコンチェルト
交響曲
コンチェルト(協奏曲)
セレナード、ディヴェルティメントなど
室内楽曲と独奏曲
弦楽四重奏曲
ソナタ
コラム◆ソナタ
◆ソナタ形式の調のプラン
◆モーツァルト
◆ベートーヴェン
3 西洋音楽のたわわな実り、そして……[ロマン派~現代]
第1節 音の魔術師たち ロマン派のオーケストラ音楽とピアノ音楽
オーケストラ音楽
一九世紀前半──シューベルトからベルリオーズまで
一九世紀後半──交響詩の成立と交響曲の復活
ピアノとピアノ音楽
ピアノと家庭音楽、サロン音楽とヴィルトゥオーゾ
性格的小品
コラム◆ロマン派生まれの音楽文化
◆ロマン派におけるオーケストラ
◆絶対音楽と標題音楽
第2節 声の魔術師たち ロマン派のオペラと歌曲
フランスのオペラ
革命期
一九世紀前半
一九世紀後半
イタリアのオペラ
ロッシーニの偉大な仕事
ベッリーニとドニゼッティ
巨人ヴェルディ
ヴェルディ以後──ヴェリズモ
ドイツとオーストリアのオペラ
ヴァーグナー以前
未来の芸術作品──ヴァーグナーの仕事
ヴァーグナー以後──R.シュトラウス
歌曲──詩とピアノの出会い
シューベルトによるリートの確立
リートの発展と各国への広がり
コラム◆楽器の王者ピアノの歴史と完成
◆グランド・オペラ
◆ベル・カント
◆オペラ用語集
第3節 国民楽派とロマン派の黄昏
国民楽派
ロシア、東欧、北欧
フランス、スペイン、イギリス
ロマン派の黄昏──R.シュトラウスとマーラー
コラム◆《モルダウ》と国民楽派の交響詩
第4節 近代の音楽──枠組みの変化と多中心化
二〇世紀という時代
第一次世界大戦までの音楽
「調性」からの解放──印象主義と表現主義
「リズム」の解放とノイズの音楽──原始主義と未来主義
西欧の外へのまなざし
両大戦間の音楽
新古典主義の音楽
十二音技法の確立
ジャズとキャバレーの音楽
社会の動きと音楽──ソヴィエト連邦、そしてナチス・ドイツ
コラム◆20世紀音楽の流れ(超早わかり!)
◆バレエ・リュス旋風
◆十二音技法ミニ解説
◆ストラヴィンスキー
◆シェーンベルク&新ウィーン楽派
第5節 現代の音楽──そして新たなる「音楽」への問いかけ
戦後音楽の再出発
前衛音楽の時代
前衛音楽の始まり──総音列主義(トータル・セリエリスム)
「管理された偶然性」
その他の前衛──それぞれの道
アメリカ実験音楽とミニマル・ミュージック
アメリカ近代──実験音楽への道のり
ケージと「偶然性の音楽」
図形楽譜とミニマル・ミュージック
テクノロジーと音楽
アジアと日本の現代音楽
コラム◆ブーレーズ
◆20世紀のオペラとミュージカル
終章 終わりの始まり
復習 西洋音楽史の始まり
いささか個人的なあと書き──西洋音楽史とは?
人名索引
ISBN:9784865592276
。出版社:アルテスパブリッシング
。判型:A5
。ページ数:264ページ
。価格:2200円(本体)
。発行年月日:2020年10月
。発売日:2020年10月23日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVM。