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岩波新書 新赤版 1853

実践 自分で調べる技術

著:宮内 泰介
著:上田 昌文

紙版

内容紹介

本の見つけ方。ネット検索の極意。現場で調査。値を測定。そして人の声を聴く。専門家でないからこそできる「調査のデザイン」により、これらを縦横無尽に組み立てながら、統計や分析で調べていく方法を具体的に解説。ロングセラー『自分で調べる技術』に科学的な視点を加えて新たに書き下ろす。「知的生産の技術」への一歩。

目次

第1章 調べるということ
1 調べよう
 世界は複雑/調べて解決への道を考える/調べることはむずかしくない
2 調べることで、何をめざすのか
 何をめざす調査か/市民による調査はなぜ有効か/水俣病の経験/専門家の知識も利用する/調査をデザインする/困難を克服し、実践へ
 【練習問題1】


第2章 文献や資料を調べる
1 文献・資料調査とは
 多様な「調べ方」と文献・資料調査/紙媒体かネットか/本か論文か
2 雑誌記事・論文を調べる
 国会図書館サーチ/国会図書館から雑誌記事・論文のコピーをとりよせる/J-STAGEで論文PDFを手に入れる/学術機関リポジトリデータベースIRDB/雑誌記事・論文を図書館で探す
 【練習問題2】
 【練習問題3】
3 本を探す
 本は探しにくい?/国会図書館サーチ/CiNii Books/本の中身から調べる——Google Books/図書館で本を探す方法/公立図書館を調べる——カーリル/司書にたずねてみる/実際に国会図書館に行ってみる/専門図書館もある/大切な本の「奥付」/ネット書店とネット古書店
4 新聞記事を調べる
 情報の宝庫、新聞記事を生かす/新聞記事データベースの活用/地方紙の魅力/業界紙が役に立つ
5 統計を調べる
 統計の探し方/私たちにとっての統計/政府統計の読み方/e-Statを使ってみる/政府統計以外の統計
 【練習問題4】
 【練習問題5】
6 資料を探す
 図書館にない資料とは/行政の資料/その他の文字資料/ネット上の情報
7 書かれていることは真実か


第3章 フィールドワークをする
1 なぜフィールドワークが必要か
 知りたい情報は書かれていない/自分たちの認識を問う
2 フィールドワークの多面的な意義
 考え方の枠組みが壊れる/学びの場としての機能/フィールドワークの技法は複合的/調査のプランを立ててみる
 【練習問題6】
3 誰に聞くのか?
 行政の人に聞く/話す側の「フレーム」を意識する/テーマのキーパーソンを探す/何人に聞けばよいのか
4 聞き取りの基本
 相手に合わせたアプローチ/一〜二時間が標準/もっと具体的に/受容的に聞く/フレキシブルに聞く
5 メモと録音
 どんなメモ帳を使うか/考えながらメモを取る/メモをまとめる/録音する/ICレコーダーやスマホの録音アプリ/文字起こし/文字起こしの方法(1)音声データをまるごと起こす/文字起こしの方法(2)丸めながら起こす/文字起こしの方法(3)内容のみを起こす
6 聞いた話は正しいのか?
 一次情報vs二次情報/相互作用としての聞き取り
 【練習問題7】
 【練習問題8】
7 観察する
 聞くだけがフィールドワークでない/体験のなかで気づく/観察したことをノートに書いてみる
8 アンケート調査
 アンケート調査は量的調査/無意味なアンケートはしない
9 調査倫理
 宮本常一「調査地被害」/調査は特権ではない/お礼状を送る


第4章 リスクを調べる
1 なぜ自分でリスクを調べるのか
 リスクにさらされている私たち/生活者の視点が大事/現状をよりよくするために
2 課題設定と文献調査
 課題を設定してみる/過去の文献を調べる/図書館を利用する/文献検索サイトを利用する/PubMed/Bibgraph/Google Scholar/専門論文の読み解き方/勉強したことがない分野の「勉強」法/英語文献を読む技術/最新の学問動向のフォロー/専門家にたずねる/テレビのドキュメンタリー番組を利用する
 【練習問題9】
3 自分で測定する
 測定の前のフィールドワーク/どのような計測がなされているかを知る/計測器を知り、手に入れるために/計測器を適切に使う/測定値の扱いに注意する/正確度と精度/有効数字、較正
4 統計データを利用する
 統計を活用する
 【練習問題10】
5 リスクを推し量る——統計学、そして疫学の考え方
 データの特徴をつかみ、「違い」のあるなしを判別する——統計学の考え方/リスクの大きさを計算し原因を特定する——疫学の考え方/コホート研究と症例対照研究/二つのグループの比較、交絡因子/ハザード比とリスク比/九五%信頼区間とP値


第5章 データ整理からアウトプットへ
1 フォルダによる整理
 フォルダとインデックス/すぐに見返せるように/電子データはどう整理するか/紙の資料を電子データ化する/クラウドストレージを利用する
2 表やカードにしてデータと対話する
 データと対話する/数値データをグラフや表にする/文字データを表にする/文字データをクロス表にしてみる/カードにする/ある語りからの四枚のカード/キーワード化
 【練習問題11】
3 KJ法によって体系化する
 KJ法とは何か/実際にやってみる/別の整理をしてみる/IdeaFragment2/座標軸で考える
 【練習問題12】
4 アウトプットする
 論文という基本形式/アウトラインをつくる/出典を示す/論文はどこで発表するのか/プレゼンテーション/説得力を増す方法
5 共同で調べる
 研究資金はどうするのか/一人ではなく、自分「たち」で調べるメリット


あとがき

参考文献・参考サイト

ISBN:9784004318538
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:286ページ
定価:980円(本体)
発行年月日:2020年10月
発売日:2020年10月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VS