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岩波新書 新赤版 1851

藤原定家 『明月記』の世界

著:村井 康彦

紙版

内容紹介

『新古今和歌集』や『小倉百人一首』の選者として知られる歌人藤原定家は、果たしてどのような日常を送っていたのか。青年期から生涯にわたって綴られた日記『明月記』を詳細に読み解くことで、宮廷での公務の心労、人間関係の軋轢、家長としての重圧と苦悩、息子たちへの思い、など、生身の定家の姿を浮かび上がらせる。

目次

序章『明月記』とは

第一章 五条京極邸
 1 五条三位
 2 百首歌の時代

第二章 政変の前後
 1 兼実の失脚
 2 女院たちの命運
 3 後鳥羽院政の創始
 4 定家「官途絶望」

第三章 新古今への道
 1 正治初度百首
 2 和歌所と寄人
 3 終わりなき切継ぎ
 4 水無瀬の遊興
 コラム◆熊野御幸と定家

第四章 定家の姉妹
 1 定家と健御前
 2 俊成の死
 3 俊成卿女と源通具

第五章 除目の哀歓
 1 居所の変遷
 2 除目の「聞書」
 3 官途「無遮会(むしゃえ)」
 4 「為家しすへむ」—「名謁」の効用
 コラム◆日吉社と定家

第六章 定家の家族
 1 定家の妻
 2 定家の子供たち

第七章 「紅旗征戎非吾事」
 1 八座(さんぎ)八年
 2 院勘を受く
 3 承久三年の定家
 4 一条京極邸
 5 院との訣別

第八章 庄園と知行国
 1 御子左家の家産形成
 2 知行国主為家
 コラム◆庄園を歩く

第九章 子供たちの時代
 1 光家と定修
 2 因子と為家
 3 為家の家族
 4 為家と関東

第一〇章 嵯峨の日々
 1 嵯峨中院山荘
 2 小倉百人一首


系 図
基本史料・参考文献
あとがき

章扉写真説明
『明月記』年表

著者略歴

著:村井 康彦
村井康彦(むらいやすひこ)
1930年山口県に生まれる。1958年京都大学文学部大学院博士課程修了。
専攻―日本古代・中世史
現在―国際日本文化研究センター名誉教授
著書―『古代国家解体過程の研究』(岩波書店 1965年)、『千利休その生涯と茶湯の意味』(日本放送出版協会 1971年)、『茶の文化史』(岩波新書 1979年)、『文芸の創成と展開』(思文閣出版 1991年)、『平安京年代記』(京都新聞社 1997年)、『王朝風土記』(角川選書 2000年)、『京の古寺歴史探訪―京都文化の深層』(淡交社 2010年)、『出雲と大和―古代国家の原像をたずねて』(岩波新書 2013年)ほか

ISBN:9784004318514
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:274ページ
定価:980円(本体)
発行年月日:2020年10月
発売日:2020年10月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ