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この世界の謎を解き明かす 高校物理再入門

著:吉田 伸夫

紙版

内容紹介

▼本質を突いた解説で根強いファンをもつ、吉田伸夫氏の最新著書!

「「物理は高校で勉強した」と思っているあなたに言いたい。真の物理学は、高校で学んだことのほんの少し先にあると。」
(本書「はじめに」より)

高校物理で学ぶ内容を著者独自の視点でまとめ直し、指導要領にはできるだけ従いながらも、
原子内部からブラックホールまで具体的な事例と結びつけて、ていねいに解説。
本書を読めば、物理学がまさに、世界とは何かを知ろうとする人間の営みであると、実感できるでしょう。

目次

■■はじめに
本書の特徴
頻繁に使う近似式


■■第1章 力学 ― 重力による運動

■1-1 重力と放物運動
斜面での加速度運動
等加速度運動
落下加速度の斉一性
成分分解
放物運動
【ケーススタディ】月面での放物運動
慣性の法則

■1-2 ニュートンの重力理論
ケプラーの法則
月とリンゴ
月軌道上の加速度
ケプラー第3法則の導出
逆2乗則の係数
【ケーススタディ】ブラックホールと暗黒物質

■1-3 力の統一
作用・反作用と万有引力の法則
運動の法則
重力ポテンシャル
重力の位置エネルギー
【ケーススタディ】オウムアムアの軌道
力とは何か

【コラム】一般相対論入門


■■第2章 電磁気学 ― 粒子と場

■2-1 静電気力と物質の構造
原子と原子核
クーロンの法則
物質を結合させる力
物質の構造
近接力の起源
電場と電位
電気力線
コンデンサーの電気容量
【ケーススタディ】雷の発生

■2-2 磁気と電流
電流と磁場の相互作用
磁場が電流に及ぼす力
ローレンツ力
アンペールの法則
単位と用語に関する混乱
磁化の扱い
磁場内部での電荷の運動
電磁誘導の法則
電磁波の発生
【ケーススタディ】ブラックホールのジェット

■2-3 電磁場のエネルギー
エネルギーの変換
エネルギーはどこに蓄えられるか
電気抵抗で消費されるエネルギー
コンデンサーに蓄えられるエネルギー
磁場のエネルギーと交流回路
【ケーススタディ】自己エネルギーとくりこみ理論

【コラム】電磁気と相対論


■■第3章 原子物理 ― 波動力学の視点

■3-1 振動と波動
安定な均衡状態
単振動
波動の伝播
ドップラー効果
重ね合わせと干渉
定在波の形成
【ケーススタディ】長周期地震動

■3-2 量子効果と原子の構造
古典論の不安定性
原子が持つエネルギー
物質波のアイデア
【ケーススタディ】水素原子の定在波
現在の解釈

■3-3 物質はいかにして生まれたか
質量とエネルギー
物質の誕生
原子核と原子の形成
元素の合成
世界はなぜ多様なのか
安定性と多様性が両立する世界
【ケーススタディ】「キログラム」の定義

【コラム】ボーア模型を教えるべきか


■■第4章 熱力学 ― 統計力学への入り口

■4-1 流体内の物体の運動
ストークスの法則
粘性抵抗と慣性抵抗
【ケーススタディ】スポーツ選手が受ける抵抗
理想化という手法

■4-2 気体分子運動論
気体分子というアイデア
ボイル=シャルルの法則
理想気体の分子運動
分子の衝突による力
理想気体の状態方程式
【ケーススタディ】ファン・デル・ワールス方程式

■4-3 熱と温度
気体のエネルギー
熱の流れ
マクスウェル分布
エネルギーはどのように分配されるか
エネルギー等分配則
仕事とエネルギー
熱力学第一法則
気体の熱容量と比熱
【ケーススタディ】筋肉による仕事

【コラム】エントロピーの正体


■■終章 ― エネルギーとは何であり、なぜ保存するのか
宇宙
原子核と素粒子
生命
物理学による統一的な世界観
エネルギーとは何か
物理学の方法論

著者略歴

著:吉田 伸夫
1956年、三重県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院博士課程修了。理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている。

ISBN:9784297116637
出版社:技術評論社
判型:A5
ページ数:232ページ
定価:1980円(本体)
発行年月日:2020年10月
発売日:2020年10月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PH