パヴァロッティとぼく
アシスタント「ティノ」が語るマエストロ最後の日々
著:エドウィン・ティノコ
訳:楢林 麗子
監:小畑 恒夫
内容紹介
「神様から息子は授からなかったけれど、君はぼくの息子だ」
孤独なオペラ王と若きアシスタントの心あたたまる物語。
「ぼくのために働かないか」
ペルーの5つ星ホテルで働く青年ティノ。
それまでオペラを聴いたこともなかったホテルボーイに声をかけたのは、
世界一のテノール歌手だった──。
何十個ものスーツケースに詰め込んだ
タキシードとアロハシャツと食料と調理器具、
プライベートジェットでめぐる世界ツアー、
熱狂する聴衆と国家元首も参加するガラ・ディナー、
豪邸と別荘、花火まで打ち上げるパーティ、
度重なる手術と再起への飽くなき願望……。
「神に祝福された声」をもつ不世出の歌手ルチアーノ・パヴァロッティ(1935–2007)。
若くから数多くの伝説を生んだオペラの舞台に飽き足らず、
プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスとの「三大テノール」公演、
ライザ・ミネリ、ボノ、エリック・クラプトンらポップスターたちとの共演でスタジアムを埋め尽くす聴衆を熱狂させ、
巨大なショービジネスの頂点に君臨した彼は、
晩年、深い孤独、醜聞に飢えたマスメディアの攻撃、そして絶え間ない身体の不調に苦しみながら、
ファンを喜ばせること、ファンに音楽の素晴らしさを伝えることに生命を燃やした。
「ファンこそぼくの人生の一部なんだ。もしいなくなったら心配になるじゃないか」
本書は、パヴァロッティが亡くなるまでの13年間、
もっとも信頼し、そば近くに置いて心を通わせた「最後のアシスタント」による回想録。
潑剌としてみずみずしいユーモアあふれる文体から、素顔のパヴァロッティの人間的魅力が伝わってくる。
目次
序曲 Ouverture
リハーサル Le prove
1 出会い
2 パヴァロッティ以前
3 パヴァロッティがリマに来た
4 初めて見るコンサート
5 旅立ち
第一幕 Atto primo
6 パヴァロッティのもとへ
7 熱狂のリオ
8 アマゾンからニューヨークへ
9 ニューヨークの日々
10 ブエノスアイレスでの乾杯
11 コロンビアの歓迎
12 ジャマイカの風
13 METの初日
14 ロンドンの『仮面舞踏会』
15 メラーノでダイエット
16 ロンドンの楽屋で
17 マイ・ウェイ
間奏曲 Intermezzo
18 パヴァロッティの友達
19 離婚
第二幕 Atto secondo
20 エリック・クラプトン
21 東京のペンネ・アラビアータ
間奏曲 Intermezzo
22 レディDの死
23 ピースメッセンジャー
24 膝の手術
25 ペーザロでのリハビリ
26 生き返ったパヴァロッティ
間奏曲 Intermezzo
27 同窓生
28 ぼくの太陽
29 逃亡者
30 サプライズ
31 ラッキーのお返し
32 母親との別れ
間奏曲 Intermezzo
33 METスキャンダル
34 父親の死
35 引退発表
36 モデナの鐘楼
37 喜びと悲しみと
38 新しい家族
39 結婚式のトランプ
40 パナマ帽
41 さよならツアー
42 招かれざる客
43 七〇歳のバースデイ
44 トリノ・オリンピック開会式
第三幕 Ultimo atto
45 最後のヴァカンス
46 脊椎の手術
47 希望
48 冷酷な知らせ
49 イタリア帰郷
50 生きることへの熱意
51 思いがけないお祝い
52 家族
53 グラニータ
54 別れ
幕 Sipario
〈パヴァロッティのアシスタントの覚え書き〉
日本語監修者あとがき
訳者あとがき
ISBN:9784865592207
。出版社:アルテスパブリッシング
。判型:4-6
。ページ数:328ページ
。価格:2500円(本体)
。発行年月日:2020年09月
。発売日:2020年09月28日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVM。