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わにのなみだはうそなきなみだ

著:アンドレ・フランソワ
訳:ふしみ みさを

紙版

内容紹介

フランスの名グラフィックデザイナー、アンドレ・フランソワのユニークで愛らしい絵本。

“ワニの涙”=“ウソ泣き”
ワニはエサを食べる時などに涙を流すことがあります。欧米では、昔からワニはずるい 生き物とされていたため、その涙は獲物をだますためのものと考えられていました。 そのため、ウソ泣きをすることを「ワニの涙」(=les larmes des crocodile, crodocile tears)と表現してきました。本作は、そのワニの涙の起源(?)を描いたユーモラスな物語です。


【訳者コメント】
とびきり上等のナンセンス絵本、待望の復刊です。わたしはこの本が出したくて、出したくて、20年近くあたためていました。
しゃれていて、とぼけていて、どこまでも自由。うそ泣きする息子に、お父さんが「うそ泣き(ヨーロッパの言葉では、『わにの涙』といいます)」の語源を説明するのですが、なんとまあ、おかしいこと!いきなり「それを知るには、まずわにを捕まえに、エジプトへ行こう」なんて言うのです。あとは読んでのお楽しみ。ちなみにわたしのおすすめは、「わにの歯ブラシ」のページです。とっても伸びやかで、へんてこ。何度見ても笑ってしまいます。一生離れられない本になること、まちがいなし!
初版は1954年。古びるどころか、今、さらに強く、新鮮な輝きを放っています。奇才アンドレ・フランソワの代表作です。

伏見操

PS
アンドレ・フランソワは、亡くなる一年半前に、アトリエが火災で全焼。これまで作った作品が全部燃えてしまいました。あまりのショックに呆然としたものの、やがて猛然と立ち上がり、火災の跡から拾い集めた、焼け焦げた作品を組み合わせてあらたな作品を作りはじめました。そして火災からわずか数カ後、パリのポンピドゥーセンターで展示をしました。これが生涯最後の展示となったそうです。つくづくかっこいい人です。

著者略歴

著:アンドレ・フランソワ
1915年ルーマニアに生まれる。ブタペストの美術学校で学んだのち、渡仏。アール・デコの巨匠カッサンドルに師事し、レイモン・サヴィニャックとともに20世紀を代表するフランスのグラフィックデザイナーとなる。また、グラフィックデザインのみならず、絵画、版画、彫刻、舞台芸術など、広範囲にわたり活躍した。絵本作品に『いたずらロラン』(福音館書店)、『ジャックと豆の木』(西村書店)などがある。
訳:ふしみ みさを
1970年、埼玉県生まれ。フランス語、英語の児童書を翻訳しながら、ときどきエッセイも書く。現在、日本とフランスを往復して暮らしている。主な訳書に『トラのじゅうたんになりたかったトラ』(岩波書店)、『ホラー横町13番地』(偕成社)、『はなくそ』(ロクリン社)がある。また近年『ふるいせんろのかたすみで』、『チャーリーとシャーロットときんいろのカナリア』、『アルフィーとせかいのむこうがわ』(いずれもロクリン社)といったチャールズ・キーピングの作品も手掛けている。

ISBN:9784907542832
出版社:ロクリン社
判型:B5変
ページ数:40ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:YBC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:YNA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:XA