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子どもの虐待とネグレクト 22巻2号

編:日本子ども虐待防止学会

紙版

内容紹介

本号は,昨年12月に開催された第25回学術集会ひょうご大会の特集号です。大会長の飯島一誠先生が巻頭言で書かれているように,兵庫では2001年以来2回目の開催ということもあり,子どもの虐待予防の歩みとこれからを見つめる節目の会となりました。多くのシンポジウムや発表の内容にも,その想いと熱が込められているように感じました。学会が終了して間もなく,世界は新型コロナウイルスに圧倒され,あの時には想像し得なかった今があります。コロナ禍が一向におさまる気配の見えないなか,その余波は子どもの生活環境や家族関係にどれほどの影を落としているのでしょうか。きっと皆さまそれぞれに胸を痛めながらもたくさんの子どもたちや家族の支援に尽力されていることでしょう。20年後,今の時代を生きて大人になった人々の心に,少しでも温かな子ども時代の記憶がありますよう,今できることをしていきたいと思います。コロナの影響で,今年の第26回いしかわ大会は,インターネットを活用したオンライン開催を中心に,日程どおり開催することになりました。こんな時だからこそ全国各地の仲間たちが繋がりあい,刺激し合える,そんな学会になることを期待しております。本誌が皆さまのお手元に届く頃は,参加の事前登録期間中となります。是非,学会HPをご確認下さい。最後になりましたが,本号より,子ども虐待をめぐる注目の話題や論点を紹介する「トピックス」欄がスタートしました。初回は,山田不二子先生にGPeVACについてご執筆いただきました。引き続き,皆さまにお届けしたい様々なテーマを掲載していく予定です。(藤澤陽子,「編集後記」より)

目次

■巻頭言
新しい時代の子ども虐待予防へ(飯島一誠)

■特集 第25回学術集会(ひょうご大会)
●国際シンポジウム・大会企画シンポジウム
トラウマインフォームドケア(亀岡智美,野坂祐子)

●大会企画シンポジウム
周産期からの虐待予防――周産期医療から地域,保育所まで切れ目のない親子の関わりを考える(万代ツルエ,永田雅子,岡田由美子,小寺智子,川野由子,岡田 尚,北林久仁子)
Child Death Review(CDR)(山田不二子,沼口 敦,溝口史剛,山中龍宏,田中 哲,藤田香織)
兵庫県における児童相談所の現状と地域の連携体制の在り方について――県・政令市・中核市の児童相談所の取組みから(佐野洋子,稲垣由子)
家族間暴力の加害親が別居離婚後,子の養育監護に関わることは子どもの福祉に適うのか――加害親との面会交流等関わりが子どもの健康と発達に及ぼす影響から考える(友田尋子,田中 究,長谷川京子,千田有紀,酒井道子)

●特別シンポジウム
JaSPCANは当事者ユースとどのように協働すべきか(永野 咲,相澤 仁)

●大会企画シンポジウム スポンサードセッション
子どもの声を受け止め,子どもを守るために何が必要か――スコットランド子どもコミッショナーに学ぶ,子どもの権利を守るための取り組み(講演者:ブルース・アダムソン,訳者:高橋恵里子,新田歌奈子)

●研究報告
A市における児童虐待に関する教員の意識と対応(宮井亜裕子,石橋正浩)

■トピックス
子どもに対する暴力撤廃のためのグローバル・パートナーシップ(GPeVAC)について(山田不二子)

■研究報告
精神疾患がある養育者による児童虐待事例の特徴――全国児童相談所通告事例の調査データ(田中裕子,森田展彰,大谷保和,斎藤 環,山口玲子,大橋洋綱,丹羽健太郎,櫻山豊夫)
データサイエンスを利用した児童虐待防止政策の評価――児童相談所のDV通告増加への対応から見た今後の政策のゆくえ(和田一郎)

■事例研究
入所児童が語る児童養護施設小規模ケアにおける満足感(畠中大輔)

■資料
養子縁組家庭への支援に関する文献的考察(榊?原 文)

■ブックレビュー

ISBN:9784753340590
出版社:岩崎学術出版社
判型:B5
ページ数:152ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月22日