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中公新書 2606

音楽の危機

《第九》が歌えなくなった日

著:岡田 暁生

紙版

内容紹介

第20回小林秀雄賞受賞作!

《「音楽」というものの生々しさと理念を情熱的に撚り合わせながら、コロナ禍という盛り上がれない時代の中で、音楽の未来を探った。アクチュアルであり、「時間論」としても優れた論考。》
(文責・新潮文芸振興会事務局)


集うことすらできない――。2020年代の世界を覆うパンデミック。「密閉・密集・密接」の営為が軒並み「不要不急」のレッテルを貼られ、音楽ライブやコンサートも次々と中止に。交響曲からオペラ、ジャズ、ロックに至るまで、近代市民社会と共に発展してきた文化がかつてない窮地を迎えている。その一方で、利便性を極めたストリーミングや録音メディアが「音楽の不在」を覆い隠し、私たちの危機感を麻痺させている。終焉か、それとも変化の契機か。近代文化の象徴たるベートーヴェンの≪第九≫を導きの糸に、コロナ後の音楽のゆくえを探る。

著者略歴

著:岡田 暁生
岡田暁生

1960年京都市生まれ. 大阪大学大学院博士課程単位取得退学. 博士(文学). 大阪大学文学部助手, 神戸大学発達科学部助教授を経て, 京都大学人文科学研究所教授.著書に『オペラの運命』(中公新書, サントリー学芸賞受賞), 『西洋音楽史』(中公新書), 『音楽の聴き方』(中公新書, 吉田秀和賞受賞), 『ピアニストになりたい!』(春秋社, 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞), 『オペラの終焉』(ちくま学芸文庫), 『リヒャルト・シュトラウス』(音楽之友社)など多数.

ISBN:9784121026064
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:820円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AV