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「高齢ニッポン」をどう捉えるか

予防医療・介護・福祉・年金

著:浜田 陽太郎

紙版

内容紹介

悲惨なエピソードの消費に流れがちな「高齢ニッポン」の話題をどう捉え、建設的な議論につなげるか。社会保障のメディアリテラシー。

新聞記者として長年社会保障報道に携わり、社会福祉士としても活動する著者による「高齢ニッポンの捉え方」。予防は日本を救うのか?公的年金はどこが大切なのか?テクノロジーは介護現場の人手不足を解決するか?正しいデータと事実関係を踏まえて、単なる問題点の指摘や批判にとどまらない建設的な議論のアリーナを開くために。

目次

はじめに

序 章 コロナ禍をどう転じさせるか

第1章 誰でも介護が必要に
 第1節 八〇歳まで働くはずが……。六九歳警備員の誤算
 第2節 人手不足と介護の「質」
 第3節 派遣で働くのは、なぜ「コスパ」がいいのか?
 第4節 テクノロジーは人手不足を解決するか
 第5節 「いい加減」は「よい加減」? 日本の介護職と一緒にスウェーデンで実習
 第6節 家族と地域の責任とは

第2章 予防は日本を救うのか?
 第1節 テクノロジーと医療
 第2節 永田町・霞が関で経産省主導の「予防医療」
 第3節 予防医療の「聖地」、広島・呉を訪ねる
 第4節 「葉っぱビジネス」の町で 高齢者が活躍でも医療費減らない?
 第5節 生活習慣病は「自己責任」なのか

第3章 公的年金保険はどこが大切なのか
 第1節 お金としての「安定感」
 第2節 「主婦の年金」が導火線 二〇〇〇年代初頭の記録問題
 第3節 「宙に浮いた年金」「消された年金」
 第4節 非正規労働者問題の核心、厚生年金の適用拡大
 第5節 社会保険庁が残した教訓
 第6節 年金「制度」はどう報じられるか
 第7節 二〇〇四年年金改革の表と裏
 第8節 民主党の「年金改革」から学んだこと
 第9節 年金の「複雑さ」と格闘する
 第10節 「老後二千万円不足」問題から考える

終 章 高齢ニッポンをどう捉えるか 社会保障のメディアリテラシー
 第1節 首相官邸取材という異世界
 第2節 メディアが抱える三つの課題
 第3節 デジタル化をどう生かすか
 第4節 普通の現場は取材する現場とは違う
 第5節 「観客」「犠牲者」を脱するために

おわりに

索 引

著者略歴

著:浜田 陽太郎
浜田 陽太郎(はまだ ようたろう) 
1966年生。1990年一橋大学法学部卒、朝日新聞社に入る。初任地、仙台支局で農家への泊まり込み取材で書いたルポにより農業ジャーナリスト賞(1993年度)。フルブライト奨学金を得て米ミネソタ大学客員研究員(2001- 2002年)。通産省、大蔵省、首相官邸、厚生労働省の記者クラブ詰めを経験。グローブ副編集長、社会保障担当の論説委員、デジタル編集部次長などを経て、現在:朝日新聞編集委員、社会福祉士。著書:『主婦とサラリーマンのための経済学』(共著、朝日新聞社、2002年)、International Journalism and Democracy: Civic Engagement Models from Around the World(共著、Edited by Angela Romano, Routledge, 2010)。

ISBN:9784326654260
出版社:勁草書房
判型:4-6
ページ数:288ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS