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京大よ、還せ

琉球人遺骨は訴える

編著:松島 泰勝
編著:山内 小夜子

紙版

内容紹介

琉球民族遺骨返還請求訴訟が提起する問題はなにか。なぜ再風葬を求めるのか。〈琉球の人骨なら研究に利用してもいい〉という差別と植民地主義が、研究者の意識の根底にある。京大だけでなく旧帝国大学には、琉球・アイヌ民族の他、アジア各地から持ち出された遺骨があると見られる。いま、大学の真摯な応答、調査、返還が求められている。

目次

はじめに

Ⅰ 京大は遺骨を元の場所に返しなさい
京大は遺骨を元の場所に返しなさい  琉球民族遺骨返還請求訴訟弁護団
哀しき哉、我が先祖!  亀谷正子
沖縄県教育委員会は琉球人の心で考えて!  玉城 毅
ウチナーの未来はウチナーンチュが決める  照屋寛徳
沖縄の死生観(子宮回帰)から考える盗骨  金城 實
京都大学による「琉球人差別事件」を訴える  松島泰勝
コラム
奪ったすべての琉球人遺骨は元の風葬地に  島袋マカト陽子
琉球人としての自覚を呼び覚ます裁判  玉城和宏
せめてお線香の一本でも……  外間三枝子

Ⅱ 京大による遺骨盗掘問題とは何か
京都帝大の人類学者の植民地主義的ダブルスタンダード  板垣竜太
京都大学の植民地主義を問う  駒込 武
負の連鎖に終止符を 奄美人遺骨収集事件の背景  原井一郎
コラム
学知の植民地主義は京大にどう存在しているか  黒石 級
京大学内の現状と一学生としての活動報告  つじねこ
加害を庇い合う研究文化  中野 楓

Ⅲ 琉球の死生観・歴史・骨神信仰
遺骨返還は私たちの責任  横田チヨ子
骨神信仰からみた琉球と日本――「皇民化」と差別の一四〇年  伊佐眞一
琉球併合と遺骨問題との関係  波平恒男
コラム
琉球人の悔しさを心に留めながら  與儀睦美
琉球民族遺骨返還訴訟への想い  呉屋初子

Ⅳ なぜ再風葬を求めるのか 民族の自己決定権
琉球・沖縄人のアイデンティティと自己決定権の確立へ!! 百按司墓と「遺骨保管場所」京大総合博物館の現地調査を  崎浜盛喜
琉球の自己決定権と遺骨収奪  宮城隆尋
台湾大学による琉球民族遺骨返還の顛末  石 佳音
日本国憲法における先住民族の集団的権利  奥野恒久
遺骨や副葬品を取り戻しつつある先住民のための試論  池田光穂
オーストラリア先住民族の遺骨返還  友永雄吾
コラム
アイデンティティの拠り所としての今帰仁  渡口正三
日本人類学会の「要望書」とアイヌ遺骨問題  出原昌志
人類学と植民地主義─―琉球をめぐって  川瀬俊治

むすびにかえて

資料
京都大学への要望書(日本人類学会)
日本人類学会への抗議文(琉球民族遺骨返還研究会)
日本人類学会への抗議文(琉球遺骨返還請求訴訟・支援集会参加者一同)

関連年表
琉球遺骨返還請求訴訟支援全国連絡会のご案内

著者略歴

編著:松島 泰勝
1963年琉球・石垣島生まれ。在ハガッニャ(グアム)日本国総領事館と在パラオ日本国大使館の専門調査員等を経て、龍谷大学教授。琉球民族遺骨返還請求訴訟原告団長。琉球民族遺骨返還研究会代表。
単著『帝国の島』(明石書店)、『琉球 奪われた骨』(岩波書店)、『琉球独立への経済学』(法律文化社)、『琉球独立宣言』(講談社)、『琉球独立論』(バジリコ)、『沖縄島嶼経済史』(藤原書店)ほか。
編著:山内 小夜子
愛媛県生まれ。真宗大谷派(東本願寺)僧侶。琉球遺骨返還請求訴訟支援全国連絡会事務局長。大谷大学非常勤講師。
論文「近代における真宗大谷派の女性教化組織」(『教化研究』135号)他、共著に『高木顕明─大逆事件に連座した念仏者』(真宗ブックレット)、『性と侵略』(社会評論社)、『加害と赦し』(現代書館)ほか。

ISBN:9784863770607
出版社:耕文社
判型:4-6
ページ数:256ページ
価格:1700円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JBF