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平凡社新書 954

コロナ不安に向き合う

精神科医からのアドバイス

著:藤本 修

紙版

内容紹介

世界に拡大する新型コロナウイルス感染症は、
人々に大きな不安と恐怖と抑うつを与え続けている。
この未曾有のできごとに対し、ベテランの精神科医が、
拡大の経過、ストレスの実態、感染者と家族の心理、
関連する精神疾患とその事例などを丁寧に解説する。
コロナ不安に対処するための
さまざまな方法を、具体的に教える。

目次

《目次》
はじめに
第一章 新型コロナウイルスの流行の経過と人々のこころ
新型コロナウイルス感染症の脅威/新型コロナウイルス感染症の発生(二〇一九年一二月~二〇二〇年一月)/新型コロナウイルス感染症の浸透(二〇二〇年二月)/パンデミック(感染爆発)になる(二〇二〇年三月)/緊急事態宣言と自粛生活(二〇二〇年四月)/緊急事態宣言の延長と解除(二〇二〇年五月)/コロナとの共存へ(二〇二〇年六月)/再び増加する新型コロナウイルス感染症の感染者数(二〇二〇年七月~)/コロナ禍の収束のために必要なもの/コロナ禍の経緯を精神科医が整理する

第二章 コロナ禍によるさまざまなストレス
新型コロナウイルス感染症に対する不安、恐怖/メディアの情報洪水から何を選ぶか/風評被害という二次被害/政府のかじ取りが不充分であることへのストレス/働き方の変化によるストレス/経済状況の悪化によるストレス/教育状況の変化によるストレス/家庭生活の変化によるストレス/閉塞した生活によるストレス/継続する不安、終結が見えない不安/ストレス反応は誰にでもある

第三章 コロナ不安と精神疾患
急性不安(恐怖)と慢性不安(恐怖)/ストレスとトラウマ/急性ストレス障害と(心的)外傷後ストレス障害(PTSD)の事例/適応障害の事例/強迫性障害の事例/不安障害が悪化した事例/やりきれなさによるうつ病の事例/巣ごもりと引きこもり/依存症の事例/疲弊と抑うつについて思うこと

第四章 PCR検査と感染者、家族の心理
PCR検査の基準についての混乱/保健所と医療機関の連携はうまく行ったのか/PCR検査に関連した人々の困惑/PCR検査に対するさまざまな不安/無症状・軽症者の心理──有名スポーツ選手を例にして/感染者と家族が面会できないことの心理的な問題/死を迎えること、死を送ることの重要性/死亡者に対する家族の思い/命日反応(記念日反応)とは
第五章 コロナ不安に向き合う
コロナ不安の特徴/WHOのストレス対処パンフレット/日本赤十字社の「新型コロナウイルスの3つの顔」パンフレット/ネガティブ・ケイパビリティ(負の能力)──コロナ不安への対応策1/レジリエンス(復元力)──コロナ不安への対応策2/認知(行動)療法の応用──コロナ不安への対応策3/マインドフルネス──コロナ不安への対応策4/グリーフケアの重要性/医療機関の力を借
りる/ウイルスとの共生、共存に向けて

第六章 長期化の中でこころの健康を保つために
日本の感染者数、死者数をどう見るか/海外のコロナ禍をどう見るか/国民に事実を正確に伝える/〝ジャパン・ミラクル〟をポジティブに受け取る/著しい生活環境の変化が起きている/これから予想されるこころの問題/経済状況の悪化は自殺者を増やす/リモート授業、テレワークと新たなコミュニケーション/コロナ禍の長期化で懸念されること/コロナ禍を生き抜くために

コロナ不安に向き合う10箇条

あとがき

参考文献

著者略歴

著:藤本 修
1951年大阪府生まれ。精神科医、医学博士。おおさかメンタルヘルスケア研究所代表理事・附属クリニック院長。大阪大学医学部卒業。大阪府立病院精神科部長、関西福祉大学教授、甲子園大学大学院教授などを歴任。著書に『精神科医はどのように話を聴くのか』『精神科医はどのようにこころを読むのか』『精神科医の仕事、カウンセラーの仕事』(いずれも平凡社。共著を含む)、『こころの病気の誤解をとく』(平凡社新書)、『精神科のヒミツ』(中公新書ラクレ)などがある。

ISBN:9784582859546
出版社:平凡社
判型:新書
ページ数:200ページ
定価:840円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MBN