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吉田謙吉が撮った戦前の東アジア

1934年満洲/1939年南支・朝鮮南部

著:塩澤 珠江
監:松重 充浩

紙版

内容紹介

 築地小劇場の舞台装置家、今和次郎とともに考現学の創始者として知られるデザイナー、
吉田謙吉が80年前に自前のライカで撮った写真900枚が、著者ほか遺族の手元に残されていた。
建国初期の満洲や日中戦争時の広州・海南島、日本統治下の朝鮮南部。
子どもたちの表情や女性たちの姿、街の賑わいや市場。
近代的視点の謙吉がとらえた占領下東アジアの一側面。

写真の解説は1章の満洲が満州史研究の松重充浩氏(日大文理学部教授)、
2章の南支(広州、華南島)が近現代史の小池聖一氏(広島大学教授)、
3章の朝鮮南部は塩澤珠江氏が担当。
解説者たちは、同時期の他の写真にはない、ありのままの現地をとらえていると
謙吉の写真を評価している。

写真史の研究家、白山眞理氏は本書の解説の中で、
「(当時の満洲)外地の日常生活をこんな風に虚飾なく追った写真は珍しい。
なにしろ、新しい国であった満洲は、大陸の異国情緒を強調し、
日満融和を表す演出写真を対内外宣伝に使っていたのだ。
内地からの撮影には現地案内者による監視や誘導があり、
撮影後に検閲やネガ提出を求められたり、発表時には媒体によるコントロール等もあった」と書いている。

<目次より>
はじめに
本書について
1930 年代東アジアの地図

1章 1934年夏 満洲篇
満洲国・1934 年
古都・奉天
建設される首都・新京
国際都市・哈爾濱
炭都・撫順

2章 1939年春 南支篇
華南―南方への進出拠点
廈門―上陸、大陸への第一歩
広東作戦
海南島の占領

3章 1939年夏 朝鮮南部篇
日本統治時代の朝鮮半島
南鮮①
映画『奥村五百子』 の撮影
南鮮②

解説 吉田謙吉の写真 外地の日常生活を虚飾なく撮る 白山眞理
監修者あとがき 松重光浩
おわりに 塩澤珠江
執筆者略歴
吉田謙吉 略年譜

目次

はじめに
本書について
1930 年代東アジアの地図

1章 1934年夏 満洲篇
満洲国・1934 年
古都・奉天
建設される首都・新京
国際都市・哈爾濱
炭都・撫順

2章 1939年春 南支篇
華南―南方への進出拠点
廈門―上陸、大陸への第一歩
広東作戦
海南島の占領

3章 1939年夏 朝鮮南部篇
日本統治時代の朝鮮半島
南鮮①
映画『奥村五百子』 の撮影
南鮮②

解説 吉田謙吉の写真 外地の日常生活を虚飾なく撮る 白山眞理
監修者あとがき 松重光浩
おわりに 塩澤珠江
執筆者略歴
吉田謙吉 略年譜

著者略歴

著:塩澤 珠江
塩澤 珠江(しおざわ・たまえ)
1942年東京生まれ。吉田謙吉長女。日大芸術学部演劇学科卒業後、パントマイムを経て、飯沢匡監修『人形写真絵本』の製作に従事。2012年『父・吉田謙吉と昭和モダン』出版後、「吉田謙吉・資料編纂室」設立。収集、保存、提供を行っている。30年来、蓮にまつわる文化を追い、アジアの蓮文化を調査中。ギャラリー<季の風>「蓮楽探求会」主宰。
監:松重 充浩
松重 充浩(まつしげ・みつひろ)
1960年山口県生まれ。広島大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士課程後期単位取得退学。外務省外交史料館、県立広島女子大学を経て、日本大学文理学部教授。著書に、『「満洲」の成立』(名古屋大学出版会・共著)、『20世紀満洲歴史事典』(吉川弘文館・共編著)、『21世紀の東アジアと歴史問題』(法律文化社・共著)などがある。

ISBN:9784794224675
出版社:草思社
判型:A5
ページ数:160ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2020年08月
発売日:2020年08月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH