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現代中国を読み解く三要素

経済・テクノロジー・国際関係

編:川島 真
編:21世紀政策研究所

紙版

内容紹介

経済・テクノロジー・国際秩序の3つの視点から現代中国を理解するため、各分野の専門家が最新データを基に中国の今を考察する。

日本の経済界にとっての中国の位置付けを考えるとき、重要となるのは、マーケットとしての重要性、生産拠点としての重要性、さらには中国のテクノロジーの革新がどのようなもので、それが世界経済や秩序にどのような影響を与えるのか否か、といったことである。本書はそれらと密接に関わる中国共産党の統治の問題もまた取り上げる。

目次

ご挨拶
はしがき

序章 現代中国を読み解く三要素──経済・テクノロジー・国際関係[川島真]
 1.はじめに
 2.中国を読み解く三つの要素
 3.中国経済に関する考察と論点
 4.中国の技術に関する考察と論点
 5.中国と国際社会の関わりに関する論点と課題
 6.おわりに

第Ⅰ部 中国経済・社会の展望と課題

第1章 中国経済の動向と課題[内藤二郎]
 1.はじめに
 2.中国経済の動向
 3.複雑化する対外関係
 4.混迷を深める経済政策
 5.経済政策の方向性と課題
 6.むすび──課題の克服に向けて

第2章 中国農業の構造調整と新たな担い手の展開[寳劔久俊]
 1.はじめに
 2.中国の農業調整問題の現状と農業保護政策の推進
 3.農業産業化を通じた農業調整問題への対応
 4.新たな担い手による農業経営
 5.おわりに

第3章 第四次産業革命と中国の社会統治[金野純]
 1.技術革新と一党独裁
 2.注目すべき変化
 3.「中国モデル」は世界にどのような影響を与えるのか?

第Ⅱ部 中国の産業競争力・テクノロジー

第4章 中国企業の革新が提起する問題群[伊藤亜聖]
 1.はじめに
 2.中国におけるイノベーションへの注目
 3.イノベーションの類型と中国企業の組織能力
 4.社会実装のメカニズム
 5.おわりに

第5章 中国におけるイノベーションの考察と今後の方向性[雨宮寛二]
 1.中国異質論の核心と製造業の高度化で直面する諸問題
 2.世界の起業拠点の分散化と中国起業の社会システムの特性
 3.中国の研究開発投資の特性
 4.中国の市場経済における革新性の検証
 5.中国市場経済における革新性の阻害要因
 6.中国の産業競争力と今後の方向性

第Ⅲ部 中国の国際社会におけるプレゼンス

第6章 中国と国際秩序[青山瑠妙]
 1.はじめに
 2.大国となった中国への厳しい視線
 3.活発化する中国の対外政策
 4.おわりに

第7章 中国の対外援助の現状と課題[北野尚宏]
 1.中国の対外援助ツールと規模
 2.中国の新たな対外援助機関と対外援助政策
 3.急増する低所得国の中国への債務額

第8章 安全保障面から見た中国外交の基軸──中国の国際社会におけるプレゼンス[香田洋二]
 1.はじめに
 2.中国の安全保障と軍事目標
 3.中国の軍事戦略──近接阻止・領域拒否
 4.A2ADの担い手──中国人民解放軍
 5.一帯一路構想
 6.米中経済戦争
 7.おわりに

おわりに
索引

著者略歴

編:川島 真
川島 真(かわしま しん)
21 世紀政策研究所研究主幹。東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了,博士(文学,東京大学)。北海道大学法学部助教授,東京大学大学院総合文化研究科准教授を経て,2015年4月より現職。現在,中曽根康弘世界平和研究所研究本部長,日本国際フォーラム上席研究員,日本学術会議連携会員などを兼任。中国・台湾の政治外交史,東アジア国際関係史を専門とする。『中国近代外交の形成』(名古屋大学出版会,2004年)でサントリー学芸賞受賞。その他の著書に,『近代国家への模索 1894─1925』(岩波書店,2010年),『ようこそ中華世界へ』(編著,昭和堂,2022年),『21世紀の「中華」─ 習近平中国と東アジア』(中央公論新社,2016年),『中国のフロンティア─ 揺れ動く境界から考える』(岩波書店,2017年)などがある。

ISBN:9784326504718
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:244ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2020年08月
発売日:2020年08月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCZ