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NHK出版新書 632

人類の選択

「ポスト・コロナ」を世界史で解く

著:佐藤 優

紙版

内容紹介

連帯か孤立か、独裁か民主主義か──人類はコロナ禍を経て、どのような選択をするべきか。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界はいま、さまざまな局面で転換点を迎えている。本書ではまず、感染症がいかに時代を動かしてきたか、現下状況と類比し、詳細に分析。その歴史的知見を手掛かりに、この危機は、人類にとって、リスクなのか、クライシスなのかを正確に見極める。インテリジェンスに長けた著者ならではの視点で、ポスト・コロナにおける、アメリカ、中国、ロシア、英国、EU諸国、イスラエルなど大国の生存戦略を展望。さらに、日本の未来と人間の生き方に確固たる指針を示す!

目次

序 章  連帯か孤立か、独裁か自由民主主義か
            
第1章  感染症が国家の秩序を変えた──「ポスト・コロナ」を世界史で解く①
1 疫病が勢力図を塗り替えた ──アテネとスパルタの攻防
2 指導者の質が歴史を左右する ── 古代ローマの失敗
3 ペストが開いた中世への扉
4 中央集権化と社会的格差 ──一四世紀、黒死病の猛威
5 ホッブズ的国家とロック的国家 ── 近代国家の二つの潮流

第2章  グローバリゼーションと感染症 ──「ポスト・コロナ」を世界史で解く②
1 ユーラシアの東西をパンデミックが席巻
2 感染症と帝国主義
3 スペイン風邪 ── 顕在した国家間格差

第3章  新・帝国主義の再編成 ── 大国の生存戦略をさぐる
1 「新・帝国主義」の本質
2 アメリカ ── 混迷を深める大統領選後の状況
3  英国とEU ── 「コモンウェルスの回帰」と「ドイツ第四帝国の矛盾」
4 ロシアと中国 ── 露骨な国益の主張
5 日本 ── 行政権拡大の背景に何があるのか
6 情報資本主義の未来 ── 「GAFA vs. 国家」のゆくえ

第4章  人類の選択 ── 「トッド・モデル」「ハラリ・モデル」から考える
1 大国の戦略をタイポロジカルに見る
2 時代は「全体主義」に向かう
3 「薄い人間関係」で社会を変える

終 章 「選択の時代」の宗教・文学・哲学                                         

著者略歴

著:佐藤 優
作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。現在は、執筆活動に取り組む。著書に『国家の罠』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。おもな著書に『国家論』(NHKブックス)、『私のマルクス』(文藝春秋)、『世界史の極意』『大国の掟』『国語ゼミ』(NHK出版新書)、『十五の夏』(幻冬舎)で梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。ほかにも著書多数。

ISBN:9784140886328
出版社:NHK出版
判型:新書
ページ数:232ページ
定価:850円(本体)
発行年月日:2020年08月
発売日:2020年08月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB