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角川新書

家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。

著:菅野 久美子

紙版

内容紹介

孤立・孤独者1000万人の時代。しかも実は現役世代の男性に多くみられる孤立者。けっして人ごとではない。ふつうの人が突然陥る現実をリアルに取材。
一人ひとりの身の上に襲い掛かろうとしている「家族遺棄社会」の真実(リアル)と、そんな日本社会に懸命に向き合う人々の実態に迫る衝撃のノンフィクション!
一人で死ぬのは、決して美学ではない。大切なのはちょっとしたつながり。

目次

第一章 親を捨てたい人々
父を遺棄した僕が母を捨てるまで
「家族遺棄」ビジネス
親の顔を見ずに墓場までサヨウナラ
「あんたなんか産まなきゃ良かった」と言われて
母が重くてたまらない


第二章 捨てられた家族の行方
ゴミ屋敷の中で餓死寸前の42歳女性
借金に拍車をかけた妹の孤独死
親との確執とゴミ屋敷
ゴミ屋敷の中で命をつなぐ日々
セルフネグレクトで死にかけた男性


第三章 孤独死の現場から
尿入りペットボトルが物語る悲しき警備員の死
犬に体を食べられた独身派遣OLの最期
ブラック企業で蝕まれる体
現役世代の孤独死から見えてくるもの
真面目な人ほど、セルフネグレクトに陥りやすい
預金残代1000万のノマド女性の孤立
マンションの配管を伝って体液が流れ出す
圧倒的に多い離婚後の孤独死
20年以上のひきこもりだった40代男性の死
親亡き後のひきこもりが抱える不安
室内で低体温症で亡くなった50代ひきこもり男性
弟の死によって立ち上げたLINEの見守りサービス
高齢者の孤独死から見える心の孤立

第四章 家族遺棄社会はどこからきたのか
終活オヤジ記者が見た葬送の大変容
OECDで社会的孤立がトップの日本
家族遺棄社会とは、家族孤立社会
自分たちがどの階層にいるのか、見つめること
コロナ後の世界で深刻化する孤立


五章 家族遺棄社会と戦う人々
事故物件専門「お祓い」の神主が向き合う無縁社会
俺が最後の砦
石屋が抱える墓じまいの葛藤
迷惑をかけるものとしてのお墓
遺骨を遺棄する社会
0葬を遂行する男の奮闘
無縁社会という津波がやってくる
行き場のないお骨と向き合う心優しき行政マン
私死亡の時、15万円しかありません。

著者略歴

著:菅野 久美子
1982年、宮崎県生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒。出版社で編集者を経てフリーライターに。著書に、『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』(双葉社)『大島てるが案内人 事故物件めぐりをしてきました』(彩図社)などがある。また、東洋経済オンラインや現代ビジネスなどのweb媒体で、生きづらさや男女の性に関する記事を多数執筆している。

ISBN:9784040823492
出版社:KADOKAWA
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2020年08月
発売日:2020年08月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB