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新たな和解の創出

グローバル化時代の歴史教育学への挑戦

編:馬 暁華

紙版

内容紹介

東アジア地域の平和と共生を目指すには、
国境を越える歴史認識の共有が不可欠だ!

近代日本の戦争と植民地支配をめぐる諸問題を
いかに歴史教育学の課題とし、その「歴史的事実」を礎石として
歴史和解を実現し得るかを、さまざまな角度から、
たとえば戦争と和解、歴史教育と和解、戦争の記憶と和解を中心に
国際的な比較の視点を入れて和解の可能性を考える。

目次

まえがき…………………………馬暁華(大阪教育大学准教授)

   第I部 戦争・植民地支配と和解構築

第1章 北ビルマ・雲南戦線における日本軍の作戦展開と
    在留邦人としての慰安婦……浅野豊美(早稲田大学教授)

第2章 戦後初期国民政府の対日講和構想
    ──三つの講和条約草案を手がかりに
             …………段瑞聡(慶應義塾大学教授)

第3章 戦後日本の朝鮮植民地支配問題認識
    ──日韓国交未回復期(1945 ~ 65 年)を中心に
      ……………松田利彦(国際日本文化研究センター教授)

   第Ⅱ部 未完の和解──アジア地域の戦争史教育の現状

第4章 日本・中国・台湾における歴史教育と
    歴史認識の相互比較
      ………………澁谷由里(帝京大学教授)

第5章 中国の中学校・高校歴史教育における中日戦争
      ………………楊彪(中国華東師範大学教授)

第6章 中国大学歴史教育の基礎科目における「抗日戦争」
    ──『中国近現代史綱要』を中心に
    ……張連紅(中国南京師範大学抗日戦争研究センター教授)

第7章 東南アジア史における「記憶」の問題────概要と論点
    ………………岡田泰平(東京大学准教授)

   第Ⅲ部 記憶から歴史へ
       ──グローバル化時代の歴史教育学の課題

第8章 世紀の忘却を越えて
    ──日露戦争100 周年記念行事を中心に
    ………………都珍淳(韓国国立昌原大学校教授)

第9章 戦争博物館、犠牲をもたらすことと国家物語
    ──日本・韓国・米国の比較研究
    ………………マーク・カプリオ(立教大学教授)

第10章 記憶から人類共通の遺産へ
    ──「負の世界文化遺産」から考える
       グローバル時代の和解と共生
    …………………馬暁華(大阪教育大学准教授)

結びにかえて グローバル時代における和解と歴史教育への挑戦
    ………………油井大三郎(東京大学・一橋大学名誉教授)

あとがき…………………………………………馬暁華

著者略歴

編:馬 暁華
Xiaohua Ma.
中国遼寧師範大学英文科卒、お茶の水女子大学大学院
比較文化学学科博士課程修了(歴史学博士)、
現在、大阪教育大学准教授。
著書等に
『幻の新秩序とアジア太平洋 第二次世界大戦期の米中同盟の軋轢』
(馬暁華 著、彩流社、2000年)、
『記憶としてのパールハーバー』(「記憶の戦い 馬暁華」所収、
 細谷千博、入江昭、大芝亮 編、ミネルヴァ書房、2004年)、
『植民地帝国日本の法的展開』(「領域主権と重層的大東亜法秩序構想
「大東亜共栄圏」における法秩序再構築への道  馬暁華」所収、
 浅野豊美、松田利彦 編、信山社出版、2004年)、
『多文化社会の構築とアジア系アメリカ人のアイデンティティに
 関する総合研究』(馬暁華著、大阪教育大学、2004-2006年)、
『東アジア近代史における「記憶と記念」 日文研フォーラム:第255回』
(都珍淳、馬暁華、松田利彦、国際日本文化研究セン…

ISBN:9784779126932
出版社:彩流社
判型:A5
ページ数:304ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2020年08月
発売日:2020年08月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNB